「コールセンター大好き人間」のつくり方 第2回

2026年4月号 <「コールセンター大好き人間」のつくり方 ──人と組織が自然に強くなるマネジメント術>

池田浩一

実践編

第2回

新卒世代のやる気に火をつける!
成功体験を積み重ねるための環境づくり

若い世代の育成・定着について、悩みを聞くことがあります。「指導しても身につかない」「思ったように動いてくれない」「すぐに辞めてしまう」など。こんな時こそ、管理者の腕の見せどころです。解決のカギは、この仕事を通じて成功体験を積んでもらうこと。そして、彼らの世代が持つ背景を知り、苦手の克服を支援することです。若手を仕事愛に目覚めさせ、頼れる存在に変えるためのポイントを見ていきましょう。

PROFILE
ブランニューデイ 代表取締役
池田浩一
コールセンター専門のコンサルタントとして、350社以上のセンターの立ち上げや業務改善を支援。コールセンター従事者のためのeラーニングサービス「BIZTEL shouin」、無料ビジネススクール「BIZTEL大学」の講師としても活躍する。

 高いパフォーマンスを発揮し、長きにわたってコールセンターで活躍してくれるオペレータは、みんな仕事への愛情とやる気に満ちあふれています。今回は、新卒世代をはじめ、20代のオペレータを、“コールセンター大好き人間”にする方法についてお話ししたいと思います。

お客さまからの「ありがとう」が
“好き”を強くする

 仕事や職場が好きになるためには、「褒められた」という成功体験を積み重ねる必要があります。上司や同僚に評価してもらうのももちろん嬉しいことですが、オペレータが最も強く喜びを感じるのは、お客さまからお褒めの言葉があったときではないでしょうか。「ありがとう」と感謝されたり、お礼の手紙をいただいたときは、跳び上がるほど嬉しいですし、疲れも吹き飛びます。

 私自身、今でも忘れられない出来事があります。クレジットカード会社のコールセンターで働いていたとき、海外旅行中にトラブルに巻き込まれた年配のご夫婦からお電話をいただきました。電話口から、不安そうな様子が強く伝わってきたため、いつも以上に丁寧にご案内したところ、コールセンターにお礼状とお菓子を送ってくださいました。顔の見えないお客さまに心から感謝された経験は、この仕事を好きになった大切な記憶として刻まれています。

 若い方々にも、コールセンターの仕事を大好きになってもらうために、こうした喜びを多く感じてほしいと思います。

成功体験を積むために
最も強化すべき基礎とは?

 お客さまから感謝やお褒めの言葉をいただけるような質の高い応対をするには、オペレータとしてさまざまな基礎を身につける必要があります。その成長を支援する環境をつくることが、私たち管理者の役目といえるでしょう。

 とりわけ今の新卒世代へのサポートが必要なスキルが、日本語力、すなわち正しい言葉遣いです。会話を通じてお客さまの要望・問題を解決するコールセンターにおいて、土台となる能力です。日本語力を高めることで、応対者や企業の品格を表せるとともに、無用な苦情も防げるため、格段に仕事がしやすくなります。

 敬語などの言葉遣いは本来、目上の方や立場のある人と「リアルな対話」をする経験から学び、少しずつ身につけていくものです。しかし、近年の新卒世代は社会性を育む高校生から大学生の時期にコロナ禍がありました。そのため、リアルな対話を経験する機会が極端に少なくなってしまいました。こうした経験の不足を補うための教育体制が必要です。

日本語力を高めるために有効な
3つのトレーニング法

 日本語力は、「正しいトレーニング」と「経験」を積み重ねることで、誰でも身につけることができます。効果的な教育方法について3つ紹介したいと思います。

①eラーニングによる学習

 近年では『BIZTEL shouin』をはじめ、コールセンターに特化したeラーニングサービスが普及してきています。敬語、クッション言葉、相づちのバリエーションといったオペレータに必要な言葉遣いに加え、苦情・カスタマーハラスメントを受けた際の対処や、高齢者対応のポイントなども網羅して学べます。研修の準備をする必要もなくなるため、忙しい指導者・管理者にはとくに有効です。しかも、好きな時間にいつでも学習してもらえるので、研修のスケジュールを調整する必要もありません。

②フィードバックの仕組み化

 オペレータ本人はできているつもりでも、実際の電話応対を見ると、まだまだ勉強が必要なことがよくあります。SVや教育担当者がチェック&フィードバックをして、一緒に品質管理する仕組みを作ることが大切です。

 例えば、先述のeラーニングで挙げた『BIZTEL shouin』では、通話録音のデータをアップロードし、応対品質評価とフィードバックを簡単に行える機能があります。修正が必要な言葉遣いがあれば指摘し、それに関連したeラーニングの研修動画を受講してもらうことで、さらに効果的な学習ができるでしょう。

③良い応対の通話録音を聴く

 良い応対をしている音声をたくさん聞くことで、「こういう言い回しがあるのか」「自分の使っている敬語は間違っていた」といった気づきが得られ、とても勉強になります。

 通話録音を聴く取り組みとして、応対コンテストと称した勉強会を開催するのもオススメです。月1回程度、「難しいお客さまへの応対」などとテーマを決め、それに沿った自分のベストだと思う音声を提出してもらい、みんなで聴く場をつくります。中でも優秀な応対をした人は表彰し、モチベーションアップも図ります。

 若いオペレータが仕事を好きになれるかは、「褒められた」「認められた」という経験ができるかにかかっています。そのためにも、苦手の克服やスキルアップができる教育の仕組みが重要です。ぜひ、新しく入った方がコールセンターを大好きになれるような環境づくりに取り組んでみてください。

 最後に、オペレータが電話応対を通じて成功体験を積み重ねるためのヒントをにまとめました。新人指導をする際などに、どうぞ参考にしてみてください。

図 お客さまの心に届き、自身も輝く応対 5つのヒント
図 お客さまの心に届き、自身も輝く応対 5つのヒント

2026年03月20日 00時00分 公開

2026年03月20日 00時00分 更新

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