問い合わせ窓口格付け調査──クレジットカード業界
クレジットカード業界の格付け調査は、Webサポートは他業界と比較して高評価。とくに『役立度/解決度』『安心して利用できる』の項目が際立つ。一方、有人窓口は一定評価はあるものの、他業界と比べて『平均応答速度』『放棄率』の評価が低く、接続品質に課題があるようだ。なお、有人サポートとWebの連携度を高く評価された企業もある。
HDI-Japanは2025年3月、クレジットカード業界の公開格付け調査を行った。
今回は「新たにカードを作るにあたって必要な情報を得る」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ95人がクレジットカード各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星9社、2ツ星1社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。クレジットカード業界は、2024年全業界平均と比べて、すべての項目が高い評価となっている。
Webサポートで高評価のところは、直感的に操作しやすく、必要な情報を見つけやすく、利便性が高い。セルフヘルプの選択肢が豊富でチャットボットやFAQが使いやすい。異なるカードの比較もしやすく、セキュリティも安心できる。そして、Webサポートと一貫性のある的確な窓口サポートを受けられるので心強い。
一方、低評価のところは、新規顧客向けの情報が少なかったり、問い合わせ窓口が見つけにくかったりした。
問い合わせ対応は、3ツ星5社、2ツ星5社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。クレジットカード業界は、2024年全業界平均と比べて『平均応答速度』と『放棄率』が大きく下回っている。
クオリティで高評価のところは、礼儀正しく丁寧で簡潔明瞭で的を射た対応ができる。説明に無駄がなく、提供サービスに関して精通しており、信頼感の高いプロフェッショナルらしい対応である。親近感のわく顧客に近づいた対応で、顧客と一緒に二人三脚で問題解決ができる。
一方、低評価のところは、一問一答の対応や受け身で自信のない対応で寄り添いが感じられず、顧客との距離が縮まらないケースがみられた。
パフォーマンスで高評価のところは、つながりやすく初回コンタクトで解決でき、質問の意図を把握して速やかに対応を進め、一度で十分な情報を得られた。また、顧客に理解できる内容で説明してくれるため満足度が高い。なお、チャットのレスポンスがよく、イメージ通りの対応で満足度が高いところもあった。
一方、低評価のところは、時間帯によってつながりにくく、音声選択肢(IVR)が分かりにくいところもあった。また、一回の問い合わせでは解決できないところも評価を下げている。
クレジットカード業界は、総じてWebサポートの評価が高く、とくに役立度と安心感が際立つ。一方、有人窓口は接続品質に課題があり、改善の余地がありそうだ。
2025年05月20日 00時00分 公開
2025年05月20日 00時00分 更新