介護ホーム業界

2025年3月号 <DATA FILE by HDI-Japan>

問い合わせ窓口格付け調査──介護ホーム業界

Web・有人窓口の全項目が全業界平均より低評価
超高齢社会に向けた準備ができていない

介護ホーム業界のカスタマーサポートは、Web・有人窓口ともに全項目が全業界平均より低評価だった。とくに問い合わせ窓口は、受付機能だけで詳細は介護施設に確認するなど、一カ所では疑問が解消しないケースも見られた。日本は超高齢社会を迎えており、介護ホームの重要性はますます高まっている。サポート窓口は、その端緒ともいえ、早急な改善が求められる。

 HDI-Japanは、2024年12月、介護ホーム業界の公開格付け調査を行った。今回は「介護ホームの利用を検討する際の各種問い合わせ」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ76人が介護ホーム各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。

サービスのイメージが湧きやすい
顧客視点のコンテンツが高評価

 Webサポートは、3ツ星3社、2ツ星7社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。介護ホーム業界は2023年全業界平均と比べて、すべての項目が低い評価となっている。

 Webサポートで高評価のところは、見つけやすく使いやすく、必要な情報を簡潔に得られる。また、介護サービスのイメージが湧きやすく、費用や動画など顧客視点の情報が豊富である。

 一方、低評価のところは、セルフヘルプの選択肢が少なく、介護サービスの利用料金など必要情報が乏しく、FAQが内容不足のところも見られた。Webで十分にサービスがイメージできないと評価が下がる。

受付機能のみで転送・折り返し
その場で疑問を解消できず低評価

 問い合わせ対応は、3ツ星5社、2ツ星4社、1ツ星1社という結果で、星なしは該当がなかった。介護ホーム業界は2023年全業界平均と比べて、Webサポートと同様、問い合わせ対応もすべての項目が低い評価となっている。

 クオリティで高評価のところは、顧客の話をよく聞いて、言い換えを含めて顧客ニーズを確認し、顧客に合わせて的確な回答を提供できている。また、顧客に寄り添った信頼できる対応となっているところが多い。一方、低評価のところは、問い合わせ窓口は受付機能しかなく、転送や折り返しが必要で、一カ所ですべての疑問は解消できない。また、顧客ニーズに十分対応できないケースや、担当者ごとの応対のバラつきが大きい傾向が見られた。

 パフォーマンスで高評価のところは、担当者が好印象で素早く必要な情報を得ることができ、短時間で疑問が解決するので、満足度が高い。一方、低評価のところは、問い合わせ窓口では各施設の案内はできなかったり、転送が多く時間がかかり初回コンタクトでは解決できなかったりする。また、メールのレスポンスが遅く、顧客が期待するタイミングで返信がないケースも見られた。さらに、各施設間や各担当者間の連携が乏しいところがあった。

 介護ホームのカスタマーサポートはWebと問い合わせ窓口ともに他業界と比べて低評価の部分が多い。日本は超高齢社会を迎え、今後ますます介護ホームの重要性が増してくる。その端緒となるサポート窓口をいまのうちに改善しておく必要がありそうだ。

図1-2
図3-6

2025年02月20日 00時00分 公開

2025年02月20日 00時00分 更新

その他の新着記事

  • スーパーバナー(リンク2)(240426画像差し替え)

●コールセンター用語集(マネジメント編)

●コールセンター用語集(ITソリューション編)

 

記事検索 

  • CS MEDIA2024秋(自社広告)

購読のご案内

月刊コールセンタージャパン

定期購読お申込み バックナンバー購入