元日の激震(能登半島地震)で明けた2024年。コールセンター/CRM市場もまた、近年にない変化が表層化した1年だった。生成AIの活用が本格化し、人手不足を背景に人件費が高騰、SVのみならずオペレータまで正社員/無期雇用化が進行した。労働問題化したカスハラ対策に悩む現場の姿が浮き彫りとなり、順調だったBPO市場はマイナス成長に転じた。編集部が選定した重大ニュースで2024年を振り返る。
2024年のコールセンター/CRM市場の最大のトピックは生成AI活用の促進、そしてカスハラ対策だ。
生成AIの企業における活用は、コールセンターがまさに「実験場」の様相を呈している。もともと生産性が重視されている職場で、かつ人手不足が深刻化しているだけに、生成AI活用効果に対する期待値は極めて高い。しかし、2024年に公開された事例については、その多くが「対応履歴の要約」で、チャットボットやボイスボットなどのコミュニケーションの自動化は稀少で、人手不足対策の決定打となる事例の登場は待たれるところだ。
カスハラ対策は、東京都をはじめとした自治体が企業の対応に関する条例を定めつつある。また、大企業を中心に「毅然とした対応」方針を打ち出すケースが相次ぎ、現場の運用への落とし込みが急務となりつつあるのが現状だ。
図は、編集部が選定した「2024年のコールセンター/CRM市場重大ニュース」だ。
人手不足を背景としたトピックが目立つが、注目したいのは「BPO市場」だ。BPO市場はコロナ特需の恩恵も終了し、主要各社の売上高をベースとした市場規模は、初のマイナス成長が確実。主要各社は、新たな差別化戦略の模索が続いている。
2025年01月20日 00時00分 公開
2025年01月20日 00時00分 更新