生命保険業界

2025年1月号 <DATA FILE by HDI-Japan>

問い合わせ窓口格付け調査──生命保険業界

Webサポートは利便性高いが解決度に課題
問い合わせ窓口は接続品質が高評価

生命保険業界の2024年の格付け調査結果は昨年から改善が見られた。Webサポートは「役立度/解決度」に課題は残るものの、センター連携度は昨年の3.13から3.44と大きく伸長。また、問い合わせ窓口も「平均応答速度」「放棄率」「困難な対応」が非常に高評価となっている。Webで解決しない場合でも、速やかな有人対応が実現できているようだ。

 HDI-Japanは、2024年10月、生命保険業界の公開格付け調査を行った。

 今回は「保険商品を検討する際の問い合わせ〜新規申し込み、商品、サービス、インターネット利用について」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ155人が生命保険各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。

見つけやすく使いやすい
顧客視点でまとめられたサイト

 Webサポートは、3ツ星12社、2ツ星4社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。生命保険業界は、2023年全業界平均と比べて、『役立度/解決度』は低いが、その他の項目は同等か高評価となった。

 Webサポートで高評価のところは、見つけやすく使いやすく、選択肢が豊富で、Webサポートと問い合わせ窓口との連携がよい。また、要点が顧客視点でまとめられていて分かりやすく、楽しみながら情報収集できるところも見られた。一方、低評価のところは、新規顧客向けのコンテンツが少なく、保険料の確認が分かりにくいところや、チャットの質問項目が限られたり、問い合わせ窓口/フォームが分かりづらいところがあった。

どのチャネルもつながりやすく
親身な対応が高評価

 問い合わせ対応は、3ツ星9社、2ツ星7社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。生命保険業界は、2023年全業界平均と比べて、『困難な対応』『平均応答速度』『放棄率』が非常に高評価となった。

 クオリティで高評価のところは、顧客に共感して親身になって、問い合わせの背景に配慮した対応ができる。知識が豊富でコミュニケーション能力が高く、顧客一人ひとりに合わせた対応ができている。ビデオ通話の対応が分かりやすいところや、チャットでも距離を感じさせない親しみやすさがあるところもあった。

 一方、低評価のところは、担当者ごとのバラつきがあったり、一貫性がなく複数回の問い合わせが必要だったりする。また、一次窓口では解決せず、二次窓口に転送する体制のところも見られた。

 パフォーマンスで高評価のところは、どのチャネルもつながりやすい。豊富な知識で素早く短時間で情報が得られ、初回コンタクトで解決でき満足度が高い。知りたいことを納得できるまで相談でき、プラスアルファの情報提供で満足度が高い。また、信頼感が高く保険加入を検討したくなるところも見られた。

 一方、低評価のところは、一次窓口のサポート範囲が狭く、その場で解決できずにライフプランナーや他の専門窓口に転送される。問い合わせ対応に積極的ではなく、心理的な距離が感じられて、満足度が低い。

図1-2
図3-6

2024年12月20日 00時00分 公開

2024年12月20日 00時00分 更新

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