アルティウスリンクは、8月31日(土)、北海道札幌市にある事業所「Polaris_Sapporo」において、近隣住民に向けて「災害対策フェスタ」を開催した。同イベントは今年で3回目。当日は悪天候だったにもかかわらず、昨年度の来場者数を上回る約230名の人が来場した。
今回のイベントでは、「地震」をメインテーマに「もしも」の時に役立つ防災知識を子どもから大人まで楽しんで学べるように、さまざまなコンテンツを用意した。一昨年から「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が開始され、直近では「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されるなど、普段から地震に備える必要性が再認知されている。
会場となった「Polaris_Sapporo」では、「いざという時に地域の皆様の安心と力になりたい」という考えのもと、地域全体で助け合うDCP(*1)を企業として取り入れている。例えば、自家発電機や2系統受電の設備を備えており、災害発生時にスマートフォン充電ブースを設置し、近隣住民へ提供できる体制を敷く。こうした取り組みを地域の人々に知ってもうらうとともに、防災知識を学び、家族や身近な人と災害対策について話し合うきっかけにしてもらいたい、という想いからイベントを開催した。なお、同イベントは北海道および、札幌市が後援している。
<キャリアを問わず利用できるスマートフォン充電ブース。近隣住民はいざという時に活用できる>
◆災害対策フェスタ 当日レポート
◆子どもも大人も楽しみながら災害対策を体験!
地震をはじめとする自然災害が多発している現在、災害時にあると安心するのがスマートフォンだ。災害時にスマートフォンの通信の安定を被災地で守るのが「車載型基地局」である。これは、アンテナや無線機など通信に必要な設備を搭載し、災害時や多くの人が集まるイベントなど、スマートフォンがつながりにくい場所に出動して電波を届ける役割を担っている。
今回はKDDIエンジニアリングの協力のもと、車載型基地局を2台展示し、災害対策フェスタ初となる試み“アンテナの操作体験”を実施した。自分で操作したアンテナがどんどん伸びていく様子を見て、子どもも大人も「おぉ~!」「すごい!」と驚きと感動の声をあげた。
<実際に自分が操作したアンテナが伸びていくことに驚きと、すごい! と感動している様子が印象的だった>
2024年1月1日に発生した「能登半島地震」における死因の4割は「圧死」(*2)、倒壊した建物の下敷きになる被害が散見された。北海道立総合研究機関のブースでは、能登半島地震の動画を上映しながらその教訓を学び、住宅の模型を使って地震に負けない住まい造りについて説明した。どうしたら住宅の強度があがるのか、参加者は模型を用いながら対策を考える。ポイントは柱を使って強度をあげること。斜めや十字に柱を設置することで住宅の強度をあげることができる。何も対策していない状態の模型を揺らし、倒壊していく様子をみてビックリしていた子どもたちも、どうやれば住宅の強度をあげられるのか、その模型を使って柱を置く場所を真剣に考え工夫していた。
地震が発生することにより起きるのが液状化。2011年3月11日に発生した東日本大震災でも液状化により大きな被害がもたらされた。札幌市青少年科学館のブースでは、液状化現象がどんなものなのか、地震によって液状化が起こる仕組みを実験しながら身の回りに潜む災害リスクを紹介した。
<地震に負けない家づくりを体験中(上)、液状化の実験、車や家が沈んでいく様子にビックリ!(下)>
カゴメ、ホリカフーズ、森永製菓のブースでは、長期保存用野菜ジュースやスープ、レスキューフーズなどの備蓄食を展示、紹介した。普段食べている食材を多めに買って、日常の食事で食べ、補充するということを繰り返して一定量の食品が備蓄されている状態を保つ「ローリングストック」の考えのもと、長期保存できる食品だけでなく普段から食品を備蓄することの大切さも説明した。例えば、避難所での生活を余儀なくされた場合、大きな精神的ストレスを抱えるケースが多くある。このような時、キャラメルやラムネなどの糖分はストレス緩和にも役立ち、普段から手軽に食べられるので、防災バッグに入れて備蓄しておくと便利な食品となる。
<災害時にあると嬉しい食品を紹介! 災害時にもこんなにおいしそうなご飯が食べられたらいいね、という声も>
そのほか、災害時に役立つスマートフォンの“お役立ち機能”の紹介や、壁の構造を知り家具の転倒防止対策を学ぶコンテンツ、非常時に持ち出せるように備えてほしい防災グッズをクイズ形式で紹介するなど、さまざまなコンテンツを通じて参加者の方々が真剣に「防災」と向き合う姿が見られた。
◆災害対策フェスタ開催にあたって
◆アルティウスリンク北海道支社 支社長 吉田 健氏
「『Polaris_Sapporo』は、設計段階からコンタクトセンターで働くスタッフのニーズを反映した従業員ファーストの施設です。また、自家発電設備と地下水汲み上げ設備があり、災害時のBCP拠点、地域支援拠点としてご活用いただけます。イベント当日に展示していた携帯・スマホ充電設備は、災害発生時に近隣住民の皆様へ提供いたします。災害対策フェスタは、地域の防災拠点でもある『Polaris_Sapporo』で災害対策について近隣住民の皆様、行政と一緒に考える機会をもつこと、そしてライフラインに問題が生じた時のために、この施設のことを知っていただきたいという思いで開催しています。地域の皆様と交流を持てる貴重な機会でもあり、これからも地域に貢献できる機会を増やしていきたいと考えております」
<アルティウスリンク 北海道支社 支社長 吉田 健氏>
今後もアルティウスリンクでは、自治体や企業、地域の住民とともに災害に強く、安心・安全なまちづくりを実践していく考えだ。
*1:DCP(District Continuity Plan、地域継続計画)とは、被災時に優先して復旧する施設設備等を地域で合意形成のうえ決定し、早期復旧地域の機能を継続させるための計画のことをいう
*2:NHK 能登半島地震 死因は「圧死」約4割 「低体温症」や「凍死」も https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240131/k10014341451000.html(最終アクセス日2024年9月12日)
2024年09月30日 11時14分 公開
2024年09月30日 11時14分 更新