問い合わせ窓口格付け調査──クレジットカード業界
クレジットカード業界のWebサポートは、3ツ星企業が6社で『使いやすい』『安心して利用できる』の評価が高い。一方、問い合わせ窓口は3ツ星企業が3社で、2ツ星企業が7社と評価を下げた。とくにパフォーマンスのうち『平均応答速度』『放棄率』は2023年全業界平均と比べて顕著に評価が低く、応答品質の改善が急務といえそうだ。
HDI-Japanは、2024年5月、クレジットカード業界の公開格付け調査を行った。
今回は「新たにカードを作るにあたって必要な情報を得る」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ114人がクレジットカード各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星6社、2ツ星4社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。クレジットカード業界は2023年全業界平均と比べて、『見つけやすく使いやすい』『安心して利用できる』の項目が高評価だが、その他は平均を若干下回る結果となった。
Webサポートで高評価のところは、クレジットカードそれぞれの特徴や年会費、優待サービスなど知りたい情報が一目で分かり、比較しながら検討できる。また、FAQやチャットボット、動画も充実しており、情報を得るための選択肢が豊富である。顧客が入会するメリットを十分に把握できるので、サービスへの期待が高まる。
一方、低評価のところは、自己解決する手段が少なかったり、セルフサービスでは十分な情報が得られなかったりと解決しにくい傾向がある。とくにFAQで目的の情報がなかなかヒットしないと、満足を損ねる要因となる。
問い合わせ対応は、3ツ星3社、2ツ星7社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。クレジットカード業界は2023年全業界平均と比べて、クオリティに大きな差はないが、パフォーマンスの『平均応答速度』『放棄率』は顕著に下回っている。
クオリティで高評価のところは、顧客のニーズを引き出し、協力して情報提供している。早い段階で顧客の緊張をほぐし心理的な距離を縮めているので、安心して相談できる。テンポよく柔軟に進め、説明もメリハリがあり、分かりやすくプロらしい対応である。一方、低評価のところは、質問に回答するまで、顧客に合わせた情報提供が不足している。表面的な対応に終始し、積極的に関わろうとする姿勢が見られず、顧客にとって物足りない対応にとどまっている。
パフォーマンスで高評価のところは、担当者につながりやすく的を射た回答でスピーディな対応である。関連情報を進んで提供し、親身で専門性も高く効果的に解決している。顧客それぞれの期待に応え、ブランドイメージに合った対応で満足度が高い。一方、低評価のところは、窓口につながりにくく長く待たされることがある。消極的な対応はスピード感に欠け、解決に時間がかかる。顧客が抱くイメージとギャップのあるサポートは高い満足が得られにくい。
2024年07月20日 00時00分 公開
2024年07月20日 00時00分 更新