生成AIで明け、生成AIで暮れる──
真のセンター改革をもたらす技術の“元年”
新型コロナウイルスの猛威は、2023年5月の5類移行でようやく、ひと段落した。この3年間で進んだITソリューションのクラウド化とオペレーションの在宅化、そしてコミュニケーション自動化といった変化を上回る「変革」をもたらす技術として登場したのが、「生成AI」だ。春のChatGPTのAPI公開からスタートした生成AI活用の模索は、今もなお続いている。2023年の重大ニュースも、この動向が中心の選定となった。
図は、編集部が選定した「2023年のコールセンター/CRM市場重大ニュース」だ。生成AIの登場と普及、BPOの事件・事故、相次いだ自治体の誘致制度の廃止などのトピックが並んだ。
ITソリューション市場は、まさに生成AI一色という状況だった。とくに後半は、具体的な事例も登場し、PoCに着手するケースが目立った。2015年前後の第3次AIブーム同様、コールセンターは真っ先に導入部門として名前が挙がる状況で、とくに今回はオペレータが対話の結果を入力する手間を省く「要約機能」の活用が目立っている。
一方、BPO市場はコロナ特需の恩恵も終了し、各社、他の差別化戦略の模索が続いた1年だった。人手不足を背景に需要は拡大したものの、コロナ関連業務に関する過大請求の発覚が相次ぎ、秋には大規模な情報漏えい事件も表面化するなど、「信頼性」が問われる1年だったといえる。
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2024年01月20日 01時26分 公開
2024年01月20日 01時26分 更新