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現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来 第8回

<連載>現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来~Online・第8回

小栗伸

 

ロールプレイングから顧客対応まで
実務でのChatGPTの使い方①

2023年11月20日

今回も、具体的な実業務でのChatGPTの活用ポイントを解説する。シチュエーションは、ロールプレイングと社内情報を引用した顧客対応だ。RAG(Retrieval Augmented Generation)と呼ばれる、「自社サービスの情報を踏まえて回答を生成させる方法」についても図解する。

Profile

AI Booster
代表取締役
小栗 伸
NTTドコモにて、ドコモショップ2300店舗に導入した「AI電話サービス」をはじめ12のAIプロジェクトを製品化・事業化。NTT DigitalでWeb3事業創出に取り組む傍ら、AI Boosterを設立し生成AIを活用したソリューション提供、導入支援に携わる。


 前回に続き、コールセンターでの具体的なChatGPT活用方法を解説する。
 今回は、オペレータがChatGPTを相手にロールプレイする方法を紹介する。

 のように、ChatGPTが顧客の役割を担い、顧客対応が練習できるシチュエーションを設定する。
 図は、著者が実際にオペレータ(ユーザー)を演じ、ChatGPT(顧客)とやり取りしたログだ。少々プロンプトに工夫をしているが、実際にありそうな会話を生成できているのではないだろうか。

 このように、クレーム対応の場面を想定して、リアルなシミュレーションを行うことは、とくに新人教育で効果を発揮するだろう。
 顧客の要求に応じた具体的な改善策や対応策を提案し、適切な対応手順を説明するスキルは、訓練の積み重ねで身につくはずだ。

 また簡易的ではあるものの、図の最後に示されるようなフィードバックも行える。
 客観的な気付きを与えることで、新人のスキルアップを促せるはずだ。


図  実際のChatGPTとのやりとり(お客様対応ロールプレイ) ※クリックすると大きくなります



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2024年01月31日 18時11分 公開

2024年01月20日 14時30分 更新