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現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来 第7回

<連載>現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来~Online・第7回

小栗伸

 

メール返信文/FAQを自動生成――
「センターの実務」への活かし方②

2023年10月30日

「生成AI(Generative AI)」や「ChatGPT」は、従来のチャットボットと比べ、格段に高い性能を持ち、広範な業界知識に基づく自然な応答ができる。ただし、その高い性能を引き出すためには、プロンプト(入力文)において、適切な要素を含めることが必要だ。今回は、より実践的な活用例を具体的なプロンプトともに紹介する。

Profile

AI Booster
代表取締役
小栗 伸
NTTドコモにて、ドコモショップ2300店舗に導入した「AI電話サービス」をはじめ12のAIプロジェクトを製品化・事業化。NTT DigitalでWeb3事業創出に取り組む傍ら、AI Boosterを設立し生成AIを活用したソリューション提供、導入支援に携わる。


FAQ作成や改善提案も可能

 2つめの活用事例として、回答のやり取り履歴からFAQを自動生成する方法を紹介する。

 フリーマーケットサービスを例に考えてみる。図1に示すような顧客とのやり取りから、FAQやサービスに対する改善提案が自動で生成できる。


図1 あるフリマサービスの問い合わせ例 


 生成AIは、世界中の情報を学習し、多種多様な分野で人間のような回答ができることはここまで述べてきた通りだが、与えた情報を要約したり、わかりやすく説明したりするといったタスクにおいても非常に優れた性能を発揮する。前節で紹介したプロンプトの構成要素を参考にして、プロンプトを作成し、FAQの自動生成を試みた結果を図2に示す。

図2 ChatGPTを用いたFAQ自動生成


 この結果からわかる通り、会話のやりとりの中からFAQとして抽出できる要素をうまく抽出し、またサービス改善につなげる提案も一定のレベルで実践していることが確認できる。もちろん、これをそのままFAQにするには粒度が細かすぎたり、今回の問い合わせが稀な問い合わせであったりする可能性もあるので、FAQに即追加するということにはならないだろう。しかし、検討材料としてリストアップし、その後の定量的な分析により、問い合わせが多く、改善効果が高いものを選別していくというプロセスに進めていくことができるはずだ。今回は紙面の関係で詳細は割愛するが、この定量的な分析のプロセスにおいても、(生成AIに限らず広義の意味で)AIを活用することでさらなる業務効率が可能だ。

 次回は、少し応用的な使い方として、新人オペレータが顧客対応業務をChatGPT相手にロールプレイする方法を紹介する。


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2024年01月31日 18時11分 公開

2024年01月20日 14時30分 更新

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