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現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来 第6回

<連載>現場視点での使い方指南 “生成AI”が変えるコールセンターの未来~Online・第6回

小栗伸

 

メール返信文/FAQを自動生成――
「センターの実務」への活かし方①

2023年10月20日

「生成AI(Generative AI)」や「ChatGPT」は、従来のチャットボットと比べ、格段に高い性能を持ち、広範な業界知識に基づく自然な応答ができる。ただし、その高い性能を引き出すためには、プロンプト(入力文)において、適切な要素を含めることが必要だ。今回は、より実践的な活用例を具体的なプロンプトともに紹介する。

Profile

AI Booster
代表取締役
小栗 伸
NTTドコモにて、ドコモショップ2300店舗に導入した「AI電話サービス」をはじめ12のAIプロジェクトを製品化・事業化。NTT DigitalでWeb3事業創出に取り組む傍ら、AI Boosterを設立し生成AIを活用したソリューション提供、導入支援に携わる。


  コールセンターで生成AIが活用できるシーンは多岐にわたるが、今回はその代表的な事例として、「メール作成支援」を紹介する。

 顧客への謝罪メールの作成は、意外と骨が折れる。言葉遣い・丁寧語などかなり気を付けないといけないし、精神的にパワーを使う。ChatGPTは、一般常識と、高い倫理観を前提とし、文章をブラッシュアップしたり、フォーマットを変換する能力が非常に高い。このようなシーンにおいては高い生産性を発揮するし、人間のように申し訳ないメールを丁寧に書いたときに神経をすり減らすようなことはない。

 ChatGPTを利用し、実際にメール作成を行った例をに示す。


図 ChatGPTを活用した謝罪メール作成の例


 出力されたメール内容をみてみると、叩き台という意味では十分に実用的なものではないだろうか。この出力をベースに、対話を通じてメールの推敲をしていくことも可能だ。例えば、「具体的な証拠が残っていない、といった言い方はよくないのでもう少し表現を和らげて」といった具合でブラッシュアップするやり方を推奨する。

次回は、「FAQ生成支援」での活用方法を解説する。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2024年01月20日 14時30分 更新