異動、入社シーズン必読!
センターマネジメント「再入門」
Part.1 <戦略的な組織づくり>
新人センター長が心がけるべき
戦略的な組織を作る「6つの視点」
ヘビークレーム、高離職率、人手不足、数えられないほど大量のKPI。他部門からコールセンターに配属され、満足な引き継ぎもされず、必要な判断基準が不明確なまま、現場をSVに任せっきりで日々を過ごすセンター長は少なくない。「センター長が活躍できる環境を作る」をテーマに、センターを取り巻く全ステークホルダーに貢献するための「戦略的マネジメント」の基礎を検証する。
センター長が、コールセンターで活躍する道は無数にある。上層部との交渉で予算を獲得できれば、採用が円滑に進み人手不足が解消され、就業環境は改善される。あるいはITインフラに投資できれば、問い合わせ件数や放棄呼の削減による応対品質向上や顧客満足度向上を実現できる。社内でVOC(ボイス・オブ・カスタマー:顧客の声)の必要性を訴求し、自社製品の品質改善によって売り上げ向上をもたらした事例もある。
多岐にわたる活躍が期待できるだけに、施策の優先度に悩むケースは少なくない。全顧客接点の代表として顧客対応を行うコールセンター(図1)が、「全ステークホルダーに貢献する戦略的マネジメント」はどのようにすればよいのか。
コンサルタントおよび、経験数十年という現役センター長らに取材(詳細プロフィールは下部掲載)し、その共通項から、戦略的にコールセンターをマネジメントするうえで「はじめに押さえるべきポイント」を6つ抽出した。(1)俯瞰した経営視点、(2)自社に最重要となるKPIの設定、(3)コールセンターシステム(IT)の基礎知識の習得、(4)「その人(個人)」と向き合うHRM(ヒューマンリソースマネジメント)、(5)ベンダーマネジメントの基本、(6)ヘビークレーム対応だ。それぞれの詳細を本誌で解説する。
図1 コールセンターは各部門の代表として顧客対応を行い、顧客の声を集めている部門
図2 コールセンターのITシステム全体像
※画像をクリックして拡大できます
Part.2 <Q&A>
採用から繁閑差の埋め方まで
先達者に訊くマネジメントの「素朴なギモン」
コールセンターは、スタッフの属性や構成、数値管理、他部署との関係性など、“特殊性”が指摘されることの多い現場だ。さらに顧客接点の第一線なだけに、自社製品やサービスのみならず、現在、猛威を振るっているパンデミックなど外的要因による影響も大きい。そこで新人センター長が抱えがちな疑問を現役管理者から募集、先達者に回答を求めた。本号と次号に分けて掲載する。
回答者(順不同)
採用・育成
Q1 人材のミスマッチを防ぐために採用での工夫するべき点を教えてください。
Q2 オペレータのモニタリング(リアルタイム)はどのようなタイミングで実施すべきでしょうか。現場のSVに聞くと「危ないオペレータや難しい質問対応の時」という話でしたが、基準は不明確なようです。
Q3 SVの自主性が育たず、「とりあえずモニタリングと指導、二次対応だけやっていればいい」という状態です。正社員化も進んでいるので、コミュニケーションスキル以外にビジネススキルなどを身につけて自分のキャリアを考えてもらいたいのですが、どのように促したら良いでしょうか?
Q4 モニタリングで自動評価できる項目と、人が評価すべき項目の違いを教えてください。
リソース管理/KPIマネジメント
Q5 よく、「つながりやすさは応答率ではなくサービスレベルで見るべき」と聞くのですが、意味がよくわかりません。なぜ応答率ではダメなのですか?
Q6 保険会社のカスタマーサービスセンターのセンター長です。つい最近、異動してきたのですが、レポートされるデータが多すぎて、何をどう見て、どう活用すればいいのか、さっぱりわかりません。「最低限、これだけは押さえるべき」というKPIを教えてください。
Q7 10席強のセンターを運営していますが、KPIの管理は何もしていない状況です。電話のシステムも、詳細なレポートが手に入るシステムではありません。最小限の費用とリソースで効率良くマネジメントを行う方法を教えてください。
Q8 インバウンドセンターです。繁忙期と閑散期の業務量が倍以上、あります。オペレータは原則として自社採用の非正規社員です。人材のやりくりについて、いい方法があれば教えてください。
人材マネジメント
Q9 センター長として他部署から異動してきました。これまでは正社員がほとんどの部署でした。非正規社員が多いSVやオペレータと接する際の注意点はありますか。
Q10 他部門から異動してきたのですが、スタッフの離職率の高さに驚いています。どのようなセンターでも通用するような、定着率を上げる方法はありますか?
図3 コンタクトセンターの測定指標
※画像をクリックして拡大できます
2024年01月31日 18時11分 公開
2021年02月20日 00時00分 更新
「オペレータも顧客も惹きつける「体験」を提供 勝ち残るカスタマーサービスの条件」 / シスコシステムズ
「いま、最も旬なITツール『音声認識/分析』 一歩先を行く世界のVOC活用法!」ベリントシステムズジャパン
[コンタクトセンターの価値を高める「カスタマーエクスペリエンス戦略」~Part.3 「 DX」「投資対効果」「VOC」 コンタクトセンターの「3大課題」に挑む]NTTマーケティングアクトProCX
「トップブランド5社に学ぶAI活用事例」ジェネシスクラウドサービス
「クラウドネイティブ技術を使ったクラウドサービスとDX化の親和性」岩崎通信機 / コンタクトセンタープラットフォーム / Genesys Cloud CX