職業/職場としての価値を高める
「SDGs」に取り組む意義と成果
2021年12月の調査では「SDGsという言葉を聞いたことがある」との回答は76.3%に達し、前年比約30%も増加(朝日新聞社、第8回SDGs認知度調査)。急速に浸透しているSDGsだが、コールセンターにおけるSDGsとは何か、どのような取り組みが可能なのか、事例および識者への取材から検証する。
2015年9月に国連サミットで採択された国際目標である通称SDGs、「SustainableDevelopmentGoals(持続可能な開発目標)」(図1)。中長期的な目標として採用する企業が増え認知度が高まる一方で、個人や所属組織レベルでは、「何をすべきか、何をするのか」が浸透しているとは言い難い。自社の事業活動や収益とのつながりが感じにくいテーマや取り組みもあるため、日常の業務や行動、目標に落とし込むのは難しく、「遠いこと」と感じるビジネスパーソンが大半ではないだろうか。
しかし、識者が「見逃せない」と指摘するのが、雇用への影響だ。市場調査などを行うIDEATECHの調査によると、「就職する企業選定の基準」としてSDGsを挙げた回答は24.5%を占めている。その理由について、45.5%が「将来性のある企業だと判断できる」と回答した(図2)。優秀な人材であるほど、その企業が長期的視点で経営しているかどうかを見ており、今後、優秀な人材を確保するためにも、軽視できないマネジメント項目となっていく可能性が高い。
地球規模の取り組みを眼の前の“自分事”にするSDGs導入のコンサルティングなどを行う日本能率協会コンサルティングのサプライチェーン革新センター兼サステナビリティ経営推進センター、河合友貴氏は「地球規模の目標であるだけに企業活動、とくに一部署の活動と乖離が出るのは事実。ですが、企業からの相談は着実に増えています」と現状を説明する。
コールセンターの受託運営を行うアウトソーサーの中には、SDGsの取り組みを開始している企業もある。KDDIエボルバでは、「コールセンターは人材がすべて」という考えを基に、雇用促進、企業成長につながる重要な施策としてSDGsへの取り組みを掲げている。具体的な事例とともにコールセンターのSDGsを検証する。
図1 SDGs17の目標
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図2 就職する企業選定の基準についての調査結果
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2024年01月31日 18時11分 公開
2022年06月20日 00時00分 更新