2022年6月号 <特集>

特集扉

コールセンター/CS職の
『キャリアマップ』

Part.1 <現状と課題>

「有期契約の人海戦術」は通用しない!
“共創型キャリアマネジメント”のすすめ

労働者は誰しも、「自身の将来像」なしでは、モチベーションを維持できない。カスタマーサポート/コールセンター/お客様相談室に配属された人材には、どのようなキャリアを積む可能性があるのか。マネジメントとしてどのようにスタッフのキャリアをサポートできるのか。「超・人手不足時代」を乗り越えるためのスタッフ支援について検証する。

 再び採用難に陥ったコールセンター市場。人手不足はオペレータだけでなくSVやリーダー職にもおよびつつある。これによって教育やサポート不足を招き、離職率も高まるという悪循環を招きかねない。早急に手を打つことが不可欠だ。

 採用難に対しては、「時給を上げる」という取り組みが目立つが、それは対症療法に過ぎない。短期的にも中長期的にも効果が期待できる施策のひとつが、「キャリア支援」だ。

 キャリア教育に詳しい学習院大学 経済学部経営学科の守島基博教授は、「私どもの調査からも、キャリアカウンセリングの実施が企業への帰属意識を高めると推察できる」と強調する(当月号インタビュー参照)。

 厚生労働省は、さまざまな職種・業種におけるキャリアアップや職業能力評価シートを作成し、誰でもダウンロードして、活用できる。編集部では、そのなかで最もコールセンター職に近いと想定される事務系職種のキャリアマップに、これまで取材したセンターやCS部門のマネジメント層の例をあてはめて例を作成した。それが図だ。キャリアアップの経路と必要なスキルを可視化している。

図 厚生労働省の事務系職種キャリアマップを参考にしたコールセンター簡易版キャリアマップ

図 厚生労働省の事務系職種キャリアマップを参考にしたコールセンター簡易版キャリアマップ

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Part.2 <インタビュー>

5名の「成功者」に見る
CS部門のキャリアを活かす条件

創刊から23年強、多くのセンター・マネジメントを取材してきたが、「キャリア」という視点においてはいくつかのパターンに分類できる。時代とともに変化してきた役割や機能、市場、あるいはその会社からの期待値によって、キャリアのパターンも変わってきた。Part.2では、異なるパターンのキャリアを積む5名に経歴やターニングポイント、仕事に対する姿勢を聞き、共通点を検証する。

 センターマネジメントは、1990年代末から2000年代前半まで、「専門職」「スペシャリスト」というケースが目立った。さまざまな会社のセンターの立ち上げや再構築に携わり、軌道に乗ったらまた異なる会社のセンターに転職する、というパターンだ。あるいは、他部署のマネジメント経験を経て、定年間近に赴任するケースも多かった。とくに製品に関する知識量が豊富なためか、メーカーのお客様相談室の室長は“生き字引”的な人材が就くポジションとみなされる傾向が強かった。

 しかし、2000年代後半から現在にかけては、他部署から異動する、あるいは他部署に異動するというマネジメントが大半を占める。言い換えれば、通常の人事異動の対象部門として位置づけられているということだ。結果、キャリアマップも多様化している。

 今回、インタビューした5名は、(1)センターのスペシャリストとして複数会社を転職後に独立(寺下氏)、(2)他社、あるいは現在の会社で異なる部門の経験を積み、CS部門に異動してその経験を活かす(関根氏)、(3)新卒当初からCS部門で活躍(山田氏、奥条氏)、(4)地方拠点でオペレータとして採用され同拠点のマネジメントに抜擢(尾谷氏)という4つのパターンに分類できる。

山田 和弘 氏

山田 和弘 氏
ソウゾウ
Director of CS

関根 紀子 氏

関根 紀子 氏
サイボウズ
執行役員

尾谷 聡哉氏

尾谷 聡哉 氏
日本コンセントリクス
オペレーションマネージャー

奥条 達也 氏

奥条 達也 氏
生活総合サービス
カスタマーサービス部 リーダー

寺下 薫 氏

寺下 薫 氏
クリエイトキャリア
代表