2021年10月号 <インタビュー>

道廣 敬典 氏

コロナ禍で中小事業者のお店をデジタル化する!
大躍進を支える「カスタマーズ部門」の任務

ヘイ
VP of Customers
道廣 敬典 氏

コロナ禍、大きな危機に瀕した小売や飲食などの店舗を運営する中小事業者。その“切り札”となったネットショップの開設と運営を支援するサービスが、ヘイが提供する「STORES」だ。「カスタマーズ部門」を率いる執行役員の道廣敬典氏は、徹底した顧客視点とサポート部門の重要性を強調する。

Profile

道廣 敬典 氏(Takanori Michihiro)

ヘイ VP of Customers

2008年リクルートエージェントに入社し、人材紹介の営業を担当。2013年サイバーエージェントに入社し、インターネット広告関連事業に従事。2019年にヘイに入社し、2021年より同社執行役員に就任。ビジネスオペレーション全般や組織マネジメントを担当。

──コロナ禍、多くの個人事業主や店舗事業者がネットショップを開設しました。「STORES」の利用者も増えていると推察しますが、サービスの概要を詳しくお聞かせ下さい。

道廣 路面出店型のビジネスからオンライン完結型へと移行する個人商店や中小企業は急増し、それを受けてEコマース(以下EC)向けのソリューションは急激に多様化しています。当社が提供する「STORES」は、個人・中小規模事業者を主な対象とした、「商売」のデジタル化を支えるプラットフォームです。「お店のデジタル、まるっと。」をコンセプトに、ネットショップ作成、予約システム、キャッシュレス決済、POSレジの4つのサービスを提供しています。これらのサービスは、別々の企業が提供していたソリューションを経営統合で統一、2020年1月より「STORES」ブランドとして展開しはじめました。現在もなお、お客様のデータ統合やKPI設定、利用するためのマニュアル、そして問い合わせ窓口を必要に応じて、整備統合している段階です。

2020年を上回る
120%成長を遂げる

──業績の推移について教えて下さい。

道廣 流通額は、コロナ禍で大幅に伸びた2020年同期間(4-6月)と比べて、2021年(4-6月)は約120%伸びています。コロナ禍の追い風もあり、事業計画に対しても順調に進捗しており、2021年全体でみても2020年を上回るペースで流通額が伸びています。また、コロナ禍の1年間、テレビCMをはじめとするさまざまなPR活動を行い、何をすればどのくらい回収できるのかという投資対効果もある程度、検証できました。これをベースに中期経営計画の再構築を図っています。

──顧客接点の状況を詳しくお聞かせ下さい。

道廣 当社最大の組織が「カスタマーズ部門」です。このなかにセールス戦略、事業開発、カスタマーサクセス、オペレーションなどの事業部がすべて位置づけられていて、それぞれの活動は有機的に連携しています。こうした組織構成の企業は少ないと思いますが、当社のビジネスに対する思いが顕著に表れています。

 カスタマーズ部門全体のミッションは「今より良くしていく意思がある人たちを成功にむけて支援する」というものです。最も大事にしているのは主語が誰かということ。一般的に、営業部門や経営企画部門などは「自分たちの成績」を主語に考えがちですが、カスタマーズ部門は「お客様」のことを考える部門です。「自分たち」でもなく、無機質で抽象的な「顧客」でもなく、「僕たちのお客様」を考えることが一番ワクワクする、という社内での会話から、この部門編成と名称が誕生しました。

 こうした価値観はミッションにも表れています。当社のサービスは、営業的・ビジネス的には「中小事業者のデジタルシフト(DX)支援」と言えますが、お客様は「DXしたい」と思っているわけではありません。「現金が合わない」「(紙の)台帳での管理をやめたい」という具体的な悩みを抱えているのです。こうしたニーズに対し、DXや顧客という抽象的な言葉を使った瞬間、他人事になってしまう。ミッションには「僕たちのお客様」が抱える具体的な悩みを1つひとつ解決することを大事にしましょう、という意味を込めているのです。

(聞き手・嶋崎有希子)
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