採用難対策、AI導入、クラウド化──
210社の実態に見る
国内コールセンターの『現在地』
カスタマー・エクスペリエンスより「効率化」
AI導入理由に垣間見える“現場のホンネ”
コールセンターの設立目的は「顧客満足度向上」だが、IT導入、あるいは対応自動化の理由は「人手不足対策としての業務効率化が顧客の利便性向上を優先」──。今回の実態調査からは、カスタマー・エクスペリエンス向上に取り組む一方で、依然として「採れない、辞める」という課題に直面している現場の悩みが浮き彫りとなっている。マネジメント課題とIT導入状況の回答を一部抜粋、現状を検証する。
「コールセンター運営上の課題」については、51.4%が「オペレータの採用・育成」、以下「品質向上」が50%、「スーパーバイザーの採用・育成」が43.8%と続く。全体的な傾向は昨年度調査からさして変化していないが、今回から選択肢に加えた「チャットやメッセンジャーなど、テキストチャネルの対応態勢確立」が33.3%を占め、新しいチャネルとしてクローズアップされていることがよくわかる。
また、「最も重要な課題」については、「オペレータの採用・育成」で21%、次いで多いのが「オペレータの定着率向上」で16%、「スーパーバイザーの採用・育成」が14%となっている。品質向上やテキストチャネルの対応態勢確立も課題ではあるが、やはり優先度が高いのは採用、教育、そして定着といった「人材の確保」であることが浮き彫りとなった。
※9月号では、回答企業の席数やサイト数といった基本情報とマネジメント課題、AI導入の狙いといったソリューション関連の回答データを抜粋しました。すべてのデータは9月末発刊予定の「コールセンター白書2019」に収録します。
図1 コールセンター運営上の課題(n=210、複数回答あり)
※画像をクリックして拡大できます
図2 最も深刻な運営上の課題(n=210)
※画像をクリックして拡大できます
I. 基礎データ
人手不足、災害対策を背景に
増え続ける「マルチサイト」運営
II. マネジメント
採れない採用、続かない新人
約4割が「新人の50%以上が辞める」と回答
III. ITソリューション
チャット/チャットボット/音声認識
「今後導入予定」のトップ3を占める
2024年01月31日 18時11分 公開
2019年08月20日 00時00分 更新
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