“オムニチャネル”のはじめの一歩
事例に見る
『ビジュアルIVR』の威力
スマホファースト時代の“CSの条件”
「エフォートレス体験」もたらす必須ツール
電話、メール、チャット、Webコンテンツ──。すべてのカスタマーサポート手段をスマートフォンで一元化するソリューション、それが『ビジュアルIVR』だ。導入企業は相次いでいるが、単純に音声IVRのメニューを視覚化しても、顧客満足度の向上には至らない。チャネルやWebコンテンツの特性を踏まえたメニュー構築が肝要だ。ジュピターテレコム、SBI損害保険、セブン銀行の取り組みから、ビジュアルIVR構築のポイントを探る。
消費者行動のデジタルシフトとは、つまり“スマホファースト”の生活様式のことだ。当然ながら、カスタマーサポートの提供もスマートフォン(スマホ)経由の利用を前提に設計する必要がある。具体的な手段として注目されつつあるのが『ビジュアルIVR』で、導入・検討する企業が増えた。
ビジュアルIVRとは、電話の音声IVRの代わりに、スマホ上に視覚でわかるようにサービスメニューを表示するもの。自分の目的にあったメニューを選択し、さまざまな手続きを行うサイトにリンクをたどったり、FAQコンテンツを参照できる。必要であれば、電話やチャットでオペレータと対話することも可能。テキスト・画像・動画を使えば、音声だけでは伝わりにくい情報もやりとりできる。
ビジュアルIVRの運用は、単に音声で提供しているIVRの操作メニューを視覚的に並べればいいわけではない。音声の窓口はコールセンターで統合されていても、Webは必ずしもそうではないケースが多く、顧客視点の導線設計は意外と難しい。特集記事では、現在最先端のビジュアルIVRを活用する3社の取り組みから、ビジュアルメニューの設計の工夫、運用のポイント、効果をみていく。
CASE STUDY 1:ジュピターテレコム(J:COM)
転送の主原因「その他」の選択を防ぎ
スマホからの電話を削減する導線設計
図1 J:COMのビジュアルメニュー
画像左から ビジュアルIVRメニュートップ画面、各カテゴリのページ、電話のメニュー
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CASE STUDY 2:SBI損害保険
狙いは“オムニチャネルの可視化”
手続き・見積もり・相談を最適誘導
図2 「継続」「異動」のビジュアルメニュー構成
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CASE STUDY 3:セブン銀行
9言語ごとに“入り口”の造りを変える
“お国柄”に応じたメニュー・導線を設計
図3 セブン銀行のビジュアルIVR活用の方針
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2024年01月31日 18時11分 公開
2019年05月20日 00時00分 更新