非・座学研修のススメ

 皆さん、初めまして。つくる考房の井口大輔と申します。

 私はこれまでに幾つかのコールセンターにて、法人向けセールスアウトバウンドセンターのエージェントをはじめ複数の職を経験してきました。その中でもある大手コールセンターエージェンシーでは、チームリーダー、スーパーバイザー、専任トレーナーと一貫して“人財育成”を担当する機会に恵まれ、専任トレーナー職に従事していた際は、一から研修体系の構築なども行なってきました。

 直近では企業の教育担当部門で、社内の研修企画や運用、研修講師として登壇する職務に恵まれ、自らを成長させてもらう機会を多くいただきました。

 そんなある日、ふと思ったことがあります。

 「どうして、研修って『座学』が中心なんだろう?」。

 座学がいけない、ということではありません。会社や人生の先輩の話を聴き、自らを高めることや、知識を吸収することは大切なことです。ですから座学は必要です。

 ただ、どうしてもある1つのことが頭から離れません。
 それは、研修で習ったことって、覚えてる?ということです。

 会社がお金を出してくれて研修に参加したのはいいが、参加者が「そんな事よりも今、自分が仕掛中の仕事のほうが気になる」とか「この忙しいのに研修なんてやってられるか!」というような“やらされ感”、または「研修に出ている間は仕事しなくていいからラッキー!寝ちゃおうっと!」といった“仕事の合間の息抜き”として捉えられていないか。せっかくの研修も、それでは意味がありませんし、当然のことながら研修内容も右から左、というようなことにもなりかねません。
 会社は社員の方々に対して少なからぬ期待を寄せて参加を促すわけですから、時間とお金の両面で無駄にはできませんよね?

 そのようなモヤモヤが頭を駆け巡るなか、現在私が実施しています、「アドベンチャーラーニング」という体験学習の手法に出会いました。
 この手法は“アクティビティ“と呼ばれるゲームを通じて日常の業務を疑似体験し、その後の振り返りをもって内省を高め、気づきを深めていくもので、身体を使っての学習となるため、その効果が長く残るという特徴があります。

 この手法を身につけ、新卒研修やコールセンタースーパーバイザー向けに実施したところ、参加者は終日の実施にもかかわらず、最後まで高い集中力と深い気づきを得ることに繋がり、新卒研修に至っては毎年春と秋の2回、定期的に実施させていただくまでに至りました。
 私の思いつきとワガママを「忍」の一字で見守って下さった当時の上司や役員の皆様には本当に感謝しています。

 現在は独立して“つくる考房”を立ち上げ、日々のお仕事や生活をワクワクしたものにするためのコミュニケーションづくりをお手伝いさせていただくべく、“コミュニケーションファシリテーター”という少々耳慣れない肩書きで、主にチームビルディングやリーダーシップなどの研修ファシリテーションや、企業内のコミュニケーションを円滑にするお手伝いをしています。

 また、ライフワークとして約30年間、格闘技を続けており、この7年ほどは、総合格闘技のインストラクターもやらせていただいてます。
 思えば子供のころから「身体で覚える」ことを体現してきており、アドベンチャーラーニングという体験学習手法を身につけたことも、ある種の必然かもしれません。

 ちなみに研修でファシリテーターを務めさせていただく際に、必ず参加者の皆様には、「今日、呼んでほしい自分のニックネーム」を名札に書いてもらい、それで1日を過ごしてもらっています。私は“Dice(ダイス)”と呼んでもらっております。

 2013年9月18日には、「チームビルディングとモチベーション・コントロール~現場の“やる気”を引き出す技術」と題した研修を開催します。
 「アドベンチャーラーニング」という体験学習の手法を使って、オペレータのやる気を持ち上げる手法を学べる講座です。
 ぜひ多くの方にご参加いただければと思います。

この筆者の講座はこちら

2024年01月31日 18時11分 公開

2013年07月18日 15時15分 更新

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