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──アルティウスリンク
カスタマーサポートにチャットを活用する企業が増えている。アルティウスリンクは今年2月、「チャットサポート利用実態調査」の結果を発表。「チャットボット」「有人チャット」の両チャネルについて、利用経験や利用意向、設置場所の希望に加え、有人チャットに関しては利用したい理由・したくない理由についても聴取、年代別の利用傾向の違いも明らかにしている。本稿では主要ポイントに絞って紹介する。
企業がチャットサポートを導入、改善、さらに利用促進を図るには、顧客の利用実態を正しく把握する必要がある。アルティウスリンクは、このほど「チャットサポート利用実態調」をまとめた。
今回の調査対象は、過去1年以内に商品・サービス利用時に困りごとが「あった」「一度もなかった」と答えた、20〜79歳の男女(日本の人口動態にあわせてサンプル回収)。調査時期は2025年6月で、3000件の有効回答を得た。
図1は、チャットサポートの利用経験だ。チャットボットと有人チャットのいずれも全体の7割以上が「一度以上は利用したことがある」と回答。チャットは顧客にとって一般的なチャネルになりつつあるようだ。また、「頻繁に利用する」「ときどき利用する」「何度か利用したことがある」と回答した割合は、両チャネルとも6割を超え、日常的なサポート手段として定着している実態が読み取れる。企業側でも、チャットサポートを顧客対応の選択肢として提供する体制が広く整備されつつある。

図2はチャットサポートの利用意向。チャットボットを「利用したい」と回答した割合は36.0%。「利用したくない」は39.3%で、わずかに利用したくない層が上回る結果となった。利用経験はあるものの積極的な利用を望まない層が一定数存在していることがうかがえる。一方、「どちらでもない」と回答した中立層は24.7%で、問い合わせ導線の改善や解決率の向上などポジティブな顧客体験を増やすことで、利用意向の引き上げが期待できると考えられる。

また、有人チャットを「利用したい」と回答した割合は43.0%。「利用したくない」は30.6%で、利用したい層が上回る結果となった。チャットボットの利用意向と比較すると、「利用したい」の割合は7ポイント高く、有人対応ならではの安心感や複雑な問い合わせへの対応力、コミュニケーションを通じた理解の深さなどが利用意向を高めていると推察される。
チャットサポートの利用意向を年代別に見ると、両チャネルとも年代が上がるほど「利用したくない」の割合が増加する(図3)。40代以下では両チャネルの割合構成に大きな差は見られないものの、50代を境にチャットボットは「利用したくない」が大きく増加する傾向が見られた。一方、有人チャットは70代でも3割以上が「利用したい」と回答しており、年代が上がっても一定の支持が見られる。有人チャットは利用者の状況に応じた柔軟かつ対人的なコミュニケーションが可能なため、チャットサポートの中では相対的に有人チャットのほうが支持されている。

図4は有人チャットを利用したい理由だ。「コールセンターや店舗に問い合わせるより気楽」「時間や場所を気にせず自分の都合で問い合わせできる」がいずれも5割を超え、心理的不安の少なさや状況に応じて柔軟に利用できる点が支持されている。また、「テキストで履歴が残り見返しやすい」「写真や画像でやり取りできて分かりやすい・伝えやすい」といったチャネルサポートならではの記録性や視覚的な補助機能、「フォームやメールより返信が早い」「電話より早くオペレータにつながる」などの解決までのスピード感も利用意向を高める要因となっている。

有人チャットを利用したくない理由も聞いている(図5)。上位3つは「口頭で伝えるより細かいニュアンスが伝わりづらい」「テキスト入力が面倒」「質問の仕方が分からない・難しい」であり、テキスト中心のコミュニケーションに伴う負荷が主な要因となっている。そのため、有人チャットにおいても質問の誘導や対話設計を工夫し、コミュニケーション負荷を軽減することで利用促進が期待できる。また、言語化が難しいと感じる利用者が多いことを踏まえると、適切に言語化された回答にアクセスできるFAQの強化や、選択肢を選ぶことで意図を伝えられるチャットボットを活用し、問い合わせ内容を整理したうえで有人チャットへ接続する導線を整えることも有効と考えられる。

図6は支持するチャットサポートの設置場所を聞いた結果だ。最も支持されるのは「公式サイト・FAQページ」で、全年代の半数以上が選択している。自己解決の起点となる公式サイトやFAQでチャットサポートに直ちにつながる安心感や手間の少なさが高い支持につながっていると考えられる。また、若年層では「公式LINE」「公式アプリ」で一定の支持が見られた。一方、全体の2割が「どこにあっても使いたくない」と回答し、年代が上がるほど増加傾向にある。電話窓口などの従来チャネルを維持しつつ、チャットサポートでは高齢層でも比較的利用意向の高い有人チャットの導線を明確にするなど、多様な顧客層を前提としたチャネル設計が重要と考えられる。

2026年03月20日 00時00分 公開
2026年03月20日 00時00分 更新