コンタクトセンターは、さまざまな変化への即応が求められる部門だ。市場環境や顧客ニーズ、企業の経営方針などにあわせた変革をリードするのがマネジメントの役割で、実践するには「ITの選定と活用」が大きなポイントとなる。近年は、生成AI活用も注目。本誌が2024年に掲載した『ITの選び方&使い方』を総括、IT活用の勘どころを探る。(掲載内容はすべて取材当時のもの)
コロナ禍以降、ビジネスのあらゆるシーンにDX・デジタル化の波が押し寄せている。コンタクトセンターも例外ではない。とくに2015年頃の第3次AIブーム以降は、新しいITソリューションを「試す場」となっている傾向もある。
従来、コンタクトセンターの業務改善といえば現場の創意工夫や「人の努力」で成し得ていた面が否めない。しかし、現在のようにセンターを取り巻く環境が激しく変化するなかでは、人手に頼った業務改善は対応が遅れがちだ。
とはいえ、もともとコスト部門と見られがちなコンタクトセンターに湯水のような投資は期待できない。クラウドシステムなどを活用し、投資を抑えながら素早く改善サイクルを回す。本誌の定例企画『ITの選び方&使い方』でも、クラウドシステムを使った業務改善で成果を上げている事例が多い。また、近年は生成AIを活用した改善が目立つ。直近約1年間で4社の取り組みを紹介している。
2024年1月号から12月号に掲載したIT活用事例を、(1)プラットフォーム刷新、(2)オペレーション支援、(3)自動化・自己解決促進、(4)バックオフィス/業務改革──の4分野に整理(図、★は生成AI活用の事例)。各社のIT活用のポイントを検証する。
内製化で改善サイクルを加速
オリックス・ビジネスセンター沖縄
現場視点で操作性を追求
第一生命保険
応対品質維持を重視した基盤刷新
日本生命保険
散在する社内ナレッジを一元管理
三井住友信託銀行
専門知識を伝わりやすく“翻訳”
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生成AIで応対履歴を要約
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2025年05月20日 00時00分 公開
2025年05月20日 00時00分 更新