IT

FlashIntel Japan 山本 契 氏

2025年6月号 <IT企業に聞く!>

FlashIntel Japan

「自然な音声自動応答」を実現する
マルチモーダルLLMを訴求

山本 契 氏

山本 契
シニア・セールス・マネージャー

企業PROFILE
所在地:東京都千代田区一番町10-8
設立:2023年7月
代表者:細井洋一 代表取締役社長 兼 VP,戦略パートナーシップ
資本金:1000万円
従業員数:100人
URL:www.flashintel.ai/ja/

 人手不足の深刻化に伴い、期待が高まっているのがボイスボットだ。ただし、先行事例においては、「レスポンス速度がやや遅い」「複雑な問い合わせには対応できない」など、“オペレータの応対を基準とした際の課題”が生じることが少なくない。

 FlashIntel Japan シニア・セールス・マネージャーの山本 契氏は、「(電話応対で)人の役割を代替するには、会話や応対の自然さ─人間らしさは不可欠」と強調する。同社は、2022年に米国で創立したスタートアップの日本法人で、『FlashAIエージェント』をはじめとする顧客応対業務向けのAIソリューションを展開している。

 FlashAIエージェントの特徴は、マルチモーダルLLMとGraphRAG(Retrieval-Augmented Generation)を採用している点にある。

 マルチモーダルLLMは、入力した音声をテキスト化するのではなく、直接処理できるモデル。「音声認識による発話のテキスト化のプロセスが不要なため、速いレスポンスを実現できます」(山本氏)。導入企業からも「自然な会話のスピード」と評価されているという。

 GraphRAGは、「人物Aと人物Bは兄弟である」のような情報同士の関係性を踏まえた情報検索を可能とする手法。山本氏は、「複数のドキュメントをまたがないと対応できないような複雑な問い合わせへの回答も生成できる」としたうえで、「プロンプトエンジニアリングによって個社ごとの導入目的、業務内容に沿った話し方やトーン、応対、会話を実現します」と説明する。迅速に運用開始できるよう、業種別のトークスクリプトテンプレートも用意。現在は、約10種類だが、順次拡充していく予定だ。

 コンタクトセンターと同様、業務効率化や自動化ニーズの高いインサイドセールスについては、オートコールシステムとともにプロセス自動化ツール『FlashRev』を提案している。FlashRev上で、顧客企業リストに対してWebサイトからデータを自動抽出するスクレイピングや、LLP Deep Researchを組み合わせて、事業内容や人事情報に加え、企業課題などをリストに付与し、提案の精度を高める。情報をもとに、「提案するタイミングではない企業」を外して架電の成功率が上がれば、オペレータの精神的負荷も軽減され、離職抑制にもつながる。

 山本氏は、「顧客応対の10年後を見て開発しています」と強調する。今後、さらに労働生産人口が減少するなか、“人でなければならない業務”の一歩手前までの業務のすべてを自動化することを目指すという。

2025年05月20日 00時00分 公開

2025年05月20日 00時00分 更新

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