サイバーエージェント 馬場 惇 氏

2026年11月号 <インタビュー>

馬場 惇 氏

サイバーエージェント
AI事業本部 AI Lab Interactive Agentグループ責任者 兼
Agent Development責任者
馬場 惇 氏

(Jun Baba)2014年サイバーエージェント入社。研究組織の立ち上げや広告配信プロダクトの研究開発、データ分析に従事。2017年よりAI Lab主任研究員として大阪大学との共同研究講座の運営責任者を務める。対話システムの社会実装に向け、人とエージェントの相互作用を研究。

接客の本質は困ったときの「問題解決」
熟練者の“声をかける判断”をAIで再現

サイバーエージェントがAI技術の研究・活用を目的に設立した『AI Lab』では、「AIによる接客対話」を研究。馬場氏が開発したAI接客OS『Escort AI』は、映像や音声、操作ログから顧客の状態を察知し困りそうなタイミングで先回りして声をかける“熟練者”のふるまいを再現。同氏に生成AI時代の「接客」の条件について聞いた。

──「AIによる接客対話」の研究に取り組んだ経緯を教えてください。

馬場 大学時代は画像認識などの研究をしており、2014年にサイバーエージェントへ入社した後は事業部に配属され、広告配信プロダクトやデータ分析を担当していました。接客対話の研究を本格化したのは2017年ごろです。大阪大学の石黒 浩教授らとの共同研究を通じて、ロボットや対話エージェントを実際の集客や接客にどう活かせるかを研究してきました。重視してきたのは、実際にユーザーがいる現場で試すことです。毎年10件程度の実証実験を重ね、現在は20人弱のチームで研究しています。

──生成AIの登場は、対話技術の研究にどう影響しましたか。

馬場 従来は、音声認識をしたうえで必要な項目を1つずつ埋め、あらかじめ決めたルートに沿って会話を進める仕組みが中心でした。生成AIによって、そこをまとめて扱える可能性が出てきました。プロンプトで振る舞いを変えられ、蓄積したデータを使って独自にチューニングすることもできます。私たちが研究してきたのは、対話モデルそのものより、ユーザーとシステムのインタラクションです。技術が進化したことで、「どのような会話ならユーザーの問題を解決できるのか」という本来取り組みたかったテーマに集中できるようになりました。非常に強力な道具を手にした感覚があります。

「話せるAI」だけでは足りない
顧客が求めているのは問題の解決

──AIによる接客に、現在の技術でまかなえないものはありますか。

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会員限定2026年10月20日 00時00分 公開

2026年10月20日 00時00分 更新

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