NTTドコモビジネス

電話は問い合わせの主軸チャネルであり続ける一方、チャネル多様化の影響で通話回数そのものは減少傾向にある。その傾向は、NTTドコモビジネス(2025年7月にNTTコミュニケーションズが改称)が提供するサービス『フリーダイヤル(着信課金)』『ナビダイヤル(発信課金)』の利用でも同様だ。同サービスを含むネットワークサービスを管掌するプラットフォームサービス本部 コミュニケーション&アプリケーションサービス部 第一サービス部門長の土屋 学氏は、「一方で、平均通話時間は年々伸びる傾向にあります」と説明する。これは、緊急時や他のチャネルで解決できない複雑な問い合わせは電話に集約されること、高齢者を中心に電話志向が未だ強いことが背景にある。
そのため、電話は、企業にとって「CX(カスタマーエクスペリエンス)に直結する最終地点」だが、肝心の体験には課題が存在する。例えば、IVRは「階層が深い」「メニュー構成が複雑」といった理由で、顧客の不満を招くケースが少なくない。こうした課題を回線側から解消する狙いで同社が打ち出したのが、新コミュニケーションサービス『docomo business ANCAR(以下ANCAR)』だ。
ANCARは、フリーダイヤル・ナビダイヤル、IP電話サービス『Arcstar IP Voice』といった通信サービスのオプションとして提供するAI SaaS。音声AI-IVR、電話とのシームレスな連携が可能なチャットボット・ボイスボット、通話録音、音声認識テキスト化、AI要約、通話ログ分析、VOC分析といった機能で構成する。網側の提供サービスであるため、災害時に拠点を切り替えても同等の機能を使える点で、同社の強みを生かしたユニークな立ち位置といえる。
これらは、ネットワークサービスの利用者であれば、申し込み後に数日程度で利用を開始できる。土屋氏は、「SI不要でAIを迅速かつコストを抑えて導入いただけるようにすることで、あらゆる企業の顧客接点の課題解決を支援したい」と強調する。
2026年上期中に一通りの機能の提供を開始する予定。土屋氏は、「ただし、これは第1弾のラインアップに過ぎず、アップデートを継続していきます。将来構想としては、他キャリア回線由来のデータ連携や、外部SaaS/CRMなどとの連携も視野に入れています」と展望する。拡販については、2025年6月に開始した「ドコモビジネスパートナープログラム」にANCARを組み込み、パートナーを拡大する方針。コールセンター領域に限らずパートナーを募ることで、一層のビジネス拡大を狙う。
2026年01月20日 00時00分 公開
2026年01月20日 00時00分 更新