問い合わせ窓口格付け調査──損害保険業界
損害保険業界の格付け調査は、Webサポート・有人窓口ともに高評価で、ここ数年は全業界平均を上回る高品質を維持している。ただし、今回は『センターとの連携度』で課題が残った。セルフヘルプは充実していても、いざ困った時にスムーズに有人サポートに移行できなければ、顧客満足は大きく棄損する。CXを下げない工夫が望まれる。
HDI-Japanは、2025年10月、損害保険業界の公開格付け調査を行った。
今回は「自動車保険を検討する際の問い合わせ 新規申込、商品、サービス、インターネット利用について」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ94人が損害保険各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星10社、2ツ星3社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は、2024年全業界平均と比べて『センターとの連携度』以外のすべての項目が高く、セルフヘルプの『複数の選択肢』がとくに高評価となっている。
Webサポートで高評価のところは、知りたい情報を素早く確認でき、商品やサービスの特徴も分かりやすい。自己解決につながる多様な選択肢があり、顧客は自分に合った方法で情報を得ることができる。保険料の試算中の疑問もその場で解消でき、安心して利用することができる。
一方、低評価のところは、情報が不足していたり、図版や動画がなく文章中心の説明であったりと、疑問を解決しにくい傾向がある。また、Webサイトとコールセンターとの連携も不足しているので顧客が迷いやすい。
問い合わせ対応は、3ツ星10社、2ツ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は2024年全業界平均と比べてすべての項目が高く、とくに差が出ているのは『サービス体制』と『困難な対応』である。
クオリティで高評価のところは、顧客の状況や気持ちを理解し前向きな姿勢でサポートしている。話をよく聞きペースを合わせ、顧客との心理的な距離を縮めてよい関係を築けている。説明は簡潔でときに具体例を示すなど柔軟性が高く、プロフェッショナルらしい信頼のおける対応である。
一方、低評価のところは、担当者のペースでマニュアル的に進めるなど顧客に対する配慮が不足しており、顧客が理解を深められる対応とは言いがたい。
パフォーマンスで高評価のところは、電話、チャットともに担当者につながりやすく、歓迎感があり顧客は安心して話を切り出せる。顧客に関心を示し早い段階からニーズを引き出しているので、結果的に短い対応時間となっている。顧客は十分な情報が得られ、商品やサービスの理解が深まり、満足度が高い。
一方、低評価のところは、その場で回答が得られず解決に至らないことがある。また、積極性が不足しており情報提供が不十分で満足度は低い傾向がある。


2025年12月20日 00時00分 公開
2025年12月20日 00時00分 更新