令和式リソースマネジメント

2025年11月号 <FOCUS/コールセンター>

コールセンター

採用難時代に求められる「柔軟性」「戦略性」
令和式リソースマネジメント再考のススメ

慢性的な採用難やデジタルシフトを受け、従来のマネジメントがマッチしなくなっている。休暇や休憩を取りやすくする仕組み、AIやノンボイスチャネルを活用した業務量調整、そして生産性から品質へと軸を移した評価制度。これらを組み合わせることで、離職を防ぎ、コストを最適化しつつ、新たな価値を生み出す。従業員のニーズに応えた「柔軟性」と経営に貢献する「戦略性」が同時に求められている。

 センターマネジメントは、予測される呼量に合わせて要員を配置し、計画通りに稼働させるのが基本である。突発的な休暇や予定外の休憩を見込んだシフト作成が“常識”だったが、シフト変更を希望する場合、代替する人材を自ら探さなければならないというルールを据えるセンターもあった。だが、この硬直的な体制は、人材採用を難しくしている要因のひとつでもある。

 近年、とくに若年層の求職者は、給与だけでなく福利厚生や働きやすさを重視して就業を判断する傾向が強まっている。採用を強化するには、勤務に一定のゆとりを持たせ、希望通りの休暇や、体調不良・クレーム対応後の一時的な休憩といった柔軟な運用を可能にするマネジメントが不可欠だ。

 ひとつのアプローチが「稼働率」や「シュリンケージ(稼働できない時間の割合)」といった指標の適正値を見直すことだ(図1Point1)。今日では、欠勤連絡がSlackやLINEなどで手軽に行えるようになり、気軽に休む傾向が強まっている。これを前提に、あらかじめ織り込んだ欠勤率を高めに設定したリソースマネジメントを行い、結果として退職率の低下につなげるBPOベンダーもいる。

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会員限定2025年10月20日 00時00分 公開

2025年10月20日 00時00分 更新

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