問い合わせ窓口格付け調査──化粧品メーカー業界
化粧品メーカー業界の格付け結果は、Webサポート・問い合わせ窓口ともに他業界よりも高評価だ。Webは、動画や診断サービス、レビュー記事など多彩な情報が得られ、商品ごとの効果や特徴もわかりやすい。問い合わせ窓口は、顧客の悩みや不安に寄り添い、真のニーズを引き出しながら、的確なアドバイスで安心して相談できる点が評価された。
HDI-Japanは、2025年4月、化粧品メーカー業界の公開格付け調査を行った。今回は「購入を検討する際の各種問い合わせ」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ83人が化粧品メーカー各社のWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星7社、2ツ星2社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。化粧品メーカー業界は、2024年全業界平均と比べて、すべての項目が高い評価となっている。
Webサポートで高評価のところは、顧客が希望に沿って商品を絞り込むことができ利用しやすい。動画や診断サービス、SNSへの連携など多様な機能で情報収集することができる。商品の特徴や効果も分かりやすく、コンタクトセンターとの連携もよいため、Webを効果的に活用している。
一方、低評価のところは、顧客が自分に合った商品にたどり着きにくかったり、知識を得られるコンテンツが少なかったりと、自己解決できる手段が不足傾向である。
問い合わせ対応は、3ツ星7社、2ツ星2社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。化粧品メーカー業界は、2024年全業界平均と比べてすべての項目が高い評価となり、とくに『顧客満足度』『サービス体制』『コミュニケーション』が大きく上回っている。
クオリティで高評価のところは、顧客の悩みや不安をしっかりと理解し、商品の違いや使い方を分かりやすく説明している。明るく丁寧な挨拶から始まり、豊富な知識と経験が伝わる対応なので、使用感がイメージしやすく、追加情報にも魅力を感じさせてくれる。適度なカジュアルさが心地よく、安心して相談ができる対応である。
一方、クオリティで評価が伸び悩んだところは、説明の表現が専門的で分かりにくかったり、自信がなくあいまいな伝え方になったりと、顧客の心情に合わせるまでには至らない傾向がある。
パフォーマンスで高評価のところは、すぐに担当者につながり、十分な情報を得ることができる。テンポよく対応を進め、顧客にとって楽しい時間を提供しているので、時間の経過が気にならない。顧客のニーズをくみ取り、商品説明にとどまらず的確なアドバイスもあり満足度が高い。親身な対応でブランドへの信頼感も増す。
一方、評価が伸び悩んだところは、顧客の問い合わせ内容にはきちんと答えているが、ニーズを深掘りしたり質問の背景に迫ったりする対応とはいえず、高い満足感を与えるまでではない。会話が弾まないため、時間が長く感じられ、商品の魅力も増すことがない。
2025年06月20日 00時00分 公開
2025年06月20日 00時00分 更新