ロジカル・アーツ
“人手不足待ったなし”の状況で、最先端のテクノロジーによる業務効率化/自動化ニーズが年々高まる国内コンタクトセンター市場。とくにChatGPTの登場以降は、生成AI活用を検討する企業が急増。比例して、自動要約や回答案生成といった生成AIとの連携による機能を拡充するITソリューションが増えた。
ところが、最先端のテクノロジーを有する外資系ベンダーの多くは、英語圏がビジネスの主戦場で、機能リリース当初は「日本版未対応」あるいは「順次対応予定」で、利用できるようになるまで「数年がかり」も珍しくない。SalesforceやAmazon Web Services(AWS)などのクラウドインテグレーション事業を展開するロジカル・アーツ 代表取締役の城垣光宏氏は、「今回の生成AI活用だけでなく、言語や商慣習のギャップが対応の遅れを招いているケースが少なくありませんでした」と強調する。
こうした背景を踏まえ、同社がコンタクトセンターの最新テクノロジー活用を支援するものとしてリリースしたのが、ブラウザベースのCTIソフトウエア『HARMONY(ハーモニー)』だ。AWSのクラウド型コンタクトセンター『Amazon Connect』をベースに、日本人にとっての「使いやすさ」を追求したUI(ユーザーインタフェース)やプレディクティブコールなどの機能、簡易CRMとともに生成AIを活用した機能を提供。既存のAmazon Connectユーザー、あるいは新規導入を検討しているセンターに提案している。「ITソリューションと現場を“橋渡し”するミドルウエアのような役割を果たすプロダクトを目指しています」(城垣氏)。
具体的には、通話内容のリアルタイムテキスト化、テキストの自動校正、通話内容の要約文生成、通話内容を分類してレポート形式の議事録生成などが可能。生成AIはChatGPTを利用している。最も需要のある生成AIの活用用途、かつ応対品質と効率の両面の向上が見込める業務プロセスを優先して機能を開発した。導入の際は、プロンプトエンジニアリングでさまざまな業種業務のフォーマットに対応可能。今後は、現場でスピーディーかつ簡便に設定を完結できるよう、プロンプトビルダーの提供も構想中という。
城垣氏は、「今後もAWSと連携して最新情報をキャッチアップしていき、日本固有のニーズを反映したうえでハーモニーに取り込んでいく方針です」と意気込む。直近では、AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」に対応予定だ。用途ごとに生成AIを選択できるようにすることで、アウトプット品質およびコストの最適化を支援する。
2025年04月20日 00時00分 公開
2025年04月20日 00時00分 更新