問い合わせ窓口格付け調査──ホテル業界
ホテル業界の格付け調査は、Webサポートが低評価の傾向にある。とくに今回はセルフサポート機能の貧弱さや役立度の低さが他業界と比べて目立っている。一方、有人窓口は他業界平均と比べて遜色ない。電話はホスピタリティが感じられる誠意ある対応で、対面接客と変わらないと高評価。反対に、高級ホテルの対応への期待に応えられないと不満を招くようだ。
HDI-Japanは2025年2月、ホテル業界の公開格付け調査を行った。
今回は「宿泊やレストランなどの施設利用前に情報やサポートを得る」という前提で実施。調査にあたっては、専門審査員、一般審査員のべ132人が各ホテルのWebページを確認し、また、それぞれの窓口に問い合わせた。そのうえで、Webサポート5項目を評価。さらに、問い合わせ窓口のパフォーマンス5項目、クオリティ5項目の評価を行っている。
Webサポートは、3ツ星2社、2ツ星10社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。ホテル業界は2024年全業界平均と比べて、すべての項目が低い評価となっている。
Webサポートで高評価のところは、ラグジュアリーな雰囲気が伝わり見ていて楽しくなる。直感的に迷うことなく操作でき、Web連携のよいサポートが得られ、安心して利用できる。
一方、低評価のところは、セルフサポート機能が弱く、探している情報を見つけるのに時間がかかる。また、必要な詳細情報を得ることができず、問い合わせ窓口との連携も乏しい。さらに、国際ホテルの英語表記が分かりにくいところも見られた。
ホテル業界のWebサポートは、利便性よりも高級感などのイメージを優先する傾向にある。顧客は何を目的にWebサイトに訪問するのか、マーケティング視点ではなく顧客視点での改善が望まれる。
問い合わせ対応は、3ツ星6社、2ツ星6社という結果で、1ツ星、星なしは該当がなかった。ホテル業界は2024年全業界平均と比べて、どの項目も大きな相違はなかった。
クオリティで高評価のところは、丁寧で積極的で安心感のある対応ができる。真のニーズに迫る対応ができ、プラスアルファの情報提供もある。対面での接客と変わらないホスピタリティが感じられ、期待を超えるプロフェッショナルらしい対応のところもあった。
一方、低評価のところは、1カ所で問い合わせが完結せず、一問一答の対応や、一方的で事務的な対応が見られた。
パフォーマンスで高評価のところは、すぐにつながり、素早く情報が得られる。顧客の話をよく聞き取り、顧客ニーズに合った具体的な提案で満足度が高い。また、業務知識が豊富で、個々の顧客に合わせた対応で、納得感や満足度が高い。
一方、低評価のところは、転送が多く窓口間転送で時間がかかる。聞かれたことのみに答える事務的な対応である。また、高級ホテルへの問い合わせという高い期待には応えられていないところも見られた。
ホテル業界の問い合わせ窓口は、電話が中心でホスピタリティなどの評価が高い。接客のプロとしての教育に注力しているようだ。
2025年04月20日 00時00分 公開
2025年04月20日 00時00分 更新
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