2023年7月号 <事例研究>

auじぶん銀行

事例研究

auじぶん銀行

「エフォートレス」前提のセンター改革
呼量削減/規模最適化/収益貢献を果たす

競争が激化するネット銀行で、新たな顧客獲得には「サービスの利便性」がカギとなる。auじぶん銀行では、顧客の分析をもとに、ユーザーが求めるエフォートレス体験を実現、入電数の大幅な低減に成功した。さらに、応対品質向上のためにES向上に取り組み、働きやすさの向上、評価制度の見直しや表彰の実施など数々の施策を打ち出している。

 同行は2021年4月、お客さまセンター(東京都中央区)の運営をBPOベンダーへの委託からインハウス運営に切り替えた。このタイミングで、これまでの課題である応答率90%、事務事故防止、VOC(顧客の声)活用とCX(顧客体験)の改善、応対品質の向上に着手した。

 翌5月に行われた基幹システムの刷新により、電話のみで対応してきたカード紛失や残高照会、金融商品の申し込みなどがWeb上で完結できるようになった。これに合わせ、Web導線の改修も進めたことで呼量は減り、応答率は目標の90%を達成。オペレータは、BPO時代から比べて5割減の130名体制と、最適化にも成功した。

 CS(顧客満足度)向上のために、現状の把握のための各種調査を実施した。すると、パソコンによる利用が多いと考えていたのが、実はスマートフォンを利用する顧客が大半と判明。そこで、スマホ向けアプリやサイトを改修するなどして、視認性や網羅性を高めた。

 スマホでの顧客体験は、「手軽で迅速に解決したい」というエフォートレス化へのニーズも強いとFAQの改修にも着手した。改修したFAQをベースに、チャットボットと有人チャットを導入。全問い合わせ数のうち、コールが占める割合に大きな変化が現れ、月間5万件近い入電数だったのが、直近は2万8000件にまで抑えられている。

左から堀野和明CS本部長、山内 寛お客さまセンター長

左から堀野和明CS本部長、山内 寛お客さまセンター長

図 スマホユーザーが多いことからアプリ画面を改修

図 スマホユーザーが多いことからアプリ画面を改修

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Center Profile

センター

開業から15年を迎えたネット銀行のauじぶん銀行お客さまセンター。オペレータは派遣社員が中心で、約130名が在籍する。電話とメールに加え、2023年3月からはチャットボットと有人チャットを開始。FAQの充実も奏功し、入電数は21年のピーク時から約3割低減した。

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年06月20日 00時00分 更新

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