Empath、マクニカネットワークスと協業開始

 音声感情解析AIを開発するEmpath (東京都渋谷区、下地貴明CEO)は、セキュリティ対策やネットワーク、AI、DXなどのソリューションを提供するマクニカネットワークス(神奈川県横浜市、池田 遵社長)と協業。音声からの感情解析をマクニカネットワークスのVoC(Voice of Customer: 顧客の声)データ分析製品に連携させることで、企業のデジタル・トランスフォーメーションを加速させる。

 データの利活用は今や、経済成長やビジネスの中心を担っており、『令和元年版 情報通信白書』(総務省、2019)でもデジタル経済の特質として「データが価値創出の源泉となる」ことが強調されている。しかし、膨大なデータの中から有益な価値を十分に発見しきれず、新しいデジタル技術を導入したとしてもその効果が限定的となってしまうという問題もあり、実際に企業の経営層からは依然としてデータを活用した業務改善のイメージがつかないという声も散見される。こうした中で、データの利活用において顧客の声(Voice of Customer、以下VoCデータ)を活用することの重要性が注目されており、例えばコールセンターにおいては、その設立の目的として「VoCの収集と関連部署への共有」が53.2%と多数を占めている(「コールセンター白書2019」リックテレコム刊)。

 このようにVoC分析への注目が集まる中で、これまでマクニカネットワークスはテキスト・データ解析等を活用したVoCデータ分析製品を提供してきた。今回、このVoC分析をより立体的かつ多角的にするためにマクニカネットワークスとEmpathは協業を開始、Empathの音声感情解析技術を組み込むことでマルチ・モーダルなVoC分析を実現する。

 Empathは、音声の物理的特徴量から、言語に依存せずに喜び、平常、怒り、哀しみと元気度を解析する国産の音声感情解析AI。音声から話者を理解し感情を可視化することで、コールセンターを中心に従業員満足度ならびに顧客満足度向上等への活用が進んでいる。また、世界50カ国2200社以上で活用され、感情を組み込んだ独自のサービスを複数の業界で展開している。

 マクニカネットワークスは、過去10年、500社以上の顧客に対するデータ分析製品を提供してきた。この経験を通して培ったテキスト・データに関する豊富な知見と分析ナレッジを活かし、今回の協業によりVoCデータの重要な要素である音声および感情解析を含む分析ソリューションの提供を開始する。顧客にサービスを提供する事業者は、同ソリューションを利用することでVoCデータを活用した顧客体験向上を図ることが可能となる。

 今回、Empathとマクニカネットワークスが連携した分析ソリューションは、複数データの組み合わせ分析による業務・活動の可視化を実現する。同ソリューションを利用することで、これまで顧客の購買データなどからは収集できなかった「感情」というデータ属性とテキスト/音声を含めたデータの組み合わせ分析が可能となる。これにより、従来分析が難しかった業務・活動の定量化を通じて暗黙知を可視化し、データが持つ本来の価値から顧客体験向上を実現する。また、感情データとシステム操作履歴など業務・活動に係るデータの組み合わせ分析により、オペレータなどのハイパフォーマー行動可視化による業務分析、および品質向上を図ることができる。


 両社では同ソリューションの提供により、企業のデジタル・トランスフォーメーションを促進し顧客体験向上、企業価値向上に貢献していく構えだ。

2024年01月31日 18時11分 公開

2020年02月26日 11時52分 更新

その他の新着記事