エウレカ、カスタマーサポートのイベントを開催

恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」などを運営するエウレカ(東京都港区、石橋準也代表取締役CEO)は、カスタマーサポートの先進事例を共有し議論するイベント「Customer-Support.Tokyo」を開催した。インターネット上でCtoCサービスを運営するカスタマーサービス部門の責任者が、「“誠実さ”とは何か」をテーマに、顧客の安心・安全を保障するためにカスタマーサポートが果たすべき役割を検証した。



「インタラクショントーク」では、登壇者が質問し合う場面もあった



登壇者は、スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」を提供するメルカリの山田和弘 執行役員、クラウドソーシング「ランサーズ」を運営するランサーズの冨樫謙太郎 カスタマーコミュニケーション マネージャー、エウレカの安信竜馬 カスタマーケア統括マネージャーの3人。売買、業務の受発注、恋愛・婚活と、いずれもインターネット上の「マッチング」をコア事業とする。



メルカリの山田和弘 執行役員


メルカリの山田氏は、昨今報道された現金紙幣の出品について触れながら、「マーケットプレイスを維持するには、利用者はもちろん、官公庁などのステークホルダーともコミュニケーションをとりながら常にガイドラインの見直しを図り、違法行為を遮断していくことが大切です」と述べた。一方で、禁止事項を増やしたりルールを厳しくしすぎると、マーケットプレイスとしての魅力を損なうリスクも示唆し、トラブルの背景や、外部からの要求の意図を見極めながら、状況に応じて対応することをあらためて強調した。


冨樫様
ランサーズの冨樫謙太郎 カスタマーコミュニケーション マネージャー


ランサーズの冨樫氏は、発注側の法人企業と受注側のフリーランサー間のやりとりのなかには、薬事法違反や権利侵害などのさまざまなレピュテーションリスクが潜んでいることを説明。「メール、チャット対応に加え、テクノロジーを用いてのサイト監視や悪質違反者の再登録防止に努めています」(冨樫氏)。同社役員を交えてサービスの安心・安全について話し合う品質向上委員会や、AI(人工知能)の活用による違反者抽出、利用者への告知・啓蒙などを通じて、安心して仕事できる場所を維持していく方針を打ち出した。


安信様
エウレカの安信竜馬 カスタマーケア統括マネージャー


エウレカの安信氏も、利用者がパートナー探しに専念できる状態を「安心・安全」と定義し、不正ユーザーの排除を常に意識しながらシステムやルールを構築していることを説明した。不正ユーザーは、他サイトなどへの誘導を行う「業者」と、詐欺や誹謗中傷などの反社会的行為が見られる「違反ユーザー」に大別できる。不正のケースに応じて強制退会などの措置をとるが、違反ユーザーの場合、男女間のコミュニケーションにおけるトラブルから発展するため、「本人が意図していない捉え方をされている場合も含まれますから、強制退会の判断は非常に難しい」と苦労を語った。
 
 
講演者3人によるインタラクショントーク(Q&A)も行われた。「今後、カスタマーサポート業務はどのように変化していくのか」という質問に対しては、各人が回答。メルカリの山田氏は、自身がカスタマーサポート職に初めて就いたときよりも幅広い役割や機能が求められていることを挙げ、「マーケティングや広報機能を持つなど、多様化していくのではないでしょうか」と予測した。冨樫氏、安信氏はともに、「よりプロアクティブな役割が強まっていく」と述べた。




 



 

2024年01月31日 18時11分 公開

2017年06月02日 12時38分 更新

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