インゲージ「Re:lation」
テキスト対応をすべて一元化
抜け/漏れ・二重対応を防ぐUIを実装
メールやチャット、SNSなどのテキストコミュニケーションで最も大きな課題となるのは「ステータス管理」だ。対応漏れや重複対応をはじめとしたコミュニケーションミスを防止するには、「誰が扱ってもわかりやすいUI」が求められる。インゲージの「Re:lation」は、その機能を安価に提供するクラウドシステム。オプションで電話機能もカバー、ユーザー企業の成長に合わせて利用できる点が強みだ。
カスタマーサクセス部門の多くは、顧客対応チャネルとしてメール(問い合わせフォーム含む)、あるいはチャットといったテキストコミュニケーションを中心としているケースが多い。コールセンターなどのカスタマーサポート部門もまた、電話対応の採用難/人手不足を背景に同じくノンボイスチャネルへのナビゲーションを積極展開する企業が増えている。
従来、一般的なオフィスで活用されてきたメーラー(マイクロソフトのOutlookやグーグルのGmailなど)では、集約された顧客接点での活用──ひとつのアドレスを複数人で運用するといった手法──には管理に無理が生じやすい。とくにステータス(応対の状況)管理が困難なため、対応漏れや重複対応が発生しやすく、効率化にも限界がある。
インゲージ(大阪市、和田哲也代表取締役CEO)が提供する「Re:lation(リレーション)」は、メール、チャット、LINE、SNSなどの複数チャネルを一元管理するソリューションだ。楽天市場やYahoo!ショッピングのチャットと連携していることもあってEコマース企業での事例も多く(図1)、実に4000社以上のユーザーを抱えている。
図1 Re:lation(リレーション)とは
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カスタマーサクセス部部長の西川正和氏は、「対応チャネルの豊富さに関して、高い評価をいただいています。ショッピングモールでのやり取り、TwitterをはじめとしたSNSだけではなく、SlackやChatworkなどとも連携可能です。さらに、オプションにはなりますが、クラウド電話機能も実装していますので、Re:lationの画面から受発信することもできます」と説明する。
なお、電話機能はCTI対応している他社製ソリューションとの連携も可能で、実際に最も多いユーザー層は「EC企業のコールセンター」(西川氏)という。
AIでテンプレをサジェスト
操作画面例を図2〜3に示す。図2は受信箱のイメージで、「未対応」「保留」「対応完了」「対応不要」などのステータスがひとめでわかるので、対応漏れや二重対応を防止できる。コメント機能、引き継ぎにも使えるメモ機能など、ミス防止に重点を置いた機能が充実している。
図2 受信箱のイメージ
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顧客ごとの履歴表示は、タイムライン形式になっており、すべてのチャネルのやり取りを時系列で追うことができるので、途中で担当者が入れ替わっても極めてわかりやすい(図3)。
図3 顧客ごとの履歴画面イメージ
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メール対応に欠かせないテンプレート作成・管理機能も実装しており、同社が独自開発したAIレコメンド機能もオプションで利用できる。人手不足に悩むカスタマーサポート/サクセス部門にとっては大きな武器になりそうだ。
導入メリットは、インタフェースのわかりやすさや機能だけではなく「価格」もある。オプションの利用や個別案件ごとの違いはあるが、モデルケースでは管理者1名、オペレータ4名の稼働で年間40万円ほどとかなりリーズナブルだ。中小規模での運用が多いBtoBのカスタマーサクセス部門にとっても大きな魅力といえそうだ。
そのカスタマーサクセス部門向けの展開について、西川氏は「BtoC向けの機能を優先的に実装してきただけに、まだこれから強化する方針です。とくにニーズが高いと感じているのはダッシュボード機能で、Eコマースで求められる個別案件ではなく、全体の進捗管理を見える化する機能は強化が必要と感じています」と説明した。
(2023年5月号 月刊「コールセンタージャパン」掲載)
2024年01月31日 18時11分 公開
2023年04月24日 17時15分 更新