怒りを測ると冷静になる

こちらの話に聞く耳を持たず、自分の主張を大声で繰り返すような顧客には腹が立つのも当然だ。

しかし、「売り言葉に買い言葉」の対応は事態を悪化させる。

こんな時にはぜひ、衝動をコントロールする「6秒ルール」を使ってほしい。

怒りの感情のピークの長さは6秒程度という説がある。

イラッ、カチンという怒りの感情は、生じてから6秒間が最も強く、それを過ぎるとだんだん小さくなっていくというものだ。

カッとなった時に絶対にやってはいけないことは「反射」だ。

反射的に何かを言う、言い返す、何かをする、仕返すなどが一番よくない。

6秒間、ぼーっと待つのもいいが、より有効なアンガーマネジメントのテクニックがあるので紹介したい。

電話対応で活用しやすいのが、「スケールテクニック」だ。自分の怒りに10段階で温度をつける(数値化する)という方法である。

数字を使うと、客観的に事実を把握することができる。

例えば、天気予報で「今日は暑いです」と言われてもどれくらい暑いかはわかりにくい。

「今日の最高気温は35度です」と言われたら、どの程度かを理解できる。

怒りの感情も同じだ。

温度をつけることで、「この前の怒りは3度だったから、今の怒りはこの前ほどではないから2度だな」と「この前」と「今」の比較ができる。そして自分の怒りの温度を考えることに意識がいくため、自分の感情を客観的に捉えらえるようになる。

結果、自分の状態を把握できるので対処しやすい。

最初のうちは、自分の怒りを正しいと思いたいため、温度を高くつけがちだが、繰り返し温度をつけていくと低くなり、自分の怒りの傾向も見えてくるはずだ。


著者:ミクト 升本恵子

2024年01月31日 18時11分 公開

2016年11月18日 08時49分 更新

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