ITR、「IT投資動向調査」を実施

 IT関連のリサーチ会社であるアイ・ティ・アール(東京都新宿区、内山悟志社長)は、10月に「IT投資動向調査」を実施した。

 対象は国内955社。2013年度のIT予算は「増額」(20%以上の増加と20%未満の増加の合計)という回答が全体の31.7%となり、前年度調査を6ポイント強、上回っている。増額した企業が30%を超えたのは、リーマンショック以前の2008年以来。減額した企業に比率も前年調査を大きく下回り、全体的に前向きな投資が行われたようだ。


 「自社のビジネスに対する現状認識」を聞いた結果、「非常に好調」が11.5%、「やや好調」が50.6%と、リーマンショック以降、5年間の低迷から脱した感はある。調査を担当した舘野真人シニア・アナリストは、「ビジネスの動向とIT投資動向は完全にシンクロしている。会社が好調という認識がないとIT投資は増やせないと推察できる」と分析した。

 IT投資を新規システム構築、大規模なリプレースなどの「戦略投資」と既存システムの維持、若干の機能拡張などの「定常費用」に分類してその比率を算出したところ(画像)、戦略投資の比率よりも定常費用の比率が高い。舘野シニア・アナリストは、「戦略投資の比率がさほど増えていないのは懸念材料。ビジネスの成長に振り分けられているのかはやや疑問が残る」と懸念を示した。


 同調査は、他にもセキュリティ対策やIT分野別動向など多岐にわたるデータを収録している。A4版、約300ページとCD-ROMがセットで9万9960円で販売する予定だ。

2024年01月31日 18時11分 公開

2013年12月03日 16時14分 更新

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