タカコム、音声認識機能を搭載した通話録音装置を開発

タカコム(岐阜県土岐市、中尾恭二社長)は、新製品発表会を開催。音声認識機能を搭載した通話録音装置「VR-TR780」を発表した。


タカコム・中尾社長
1年がかりで開発した経緯を説明する中尾社長


VR-TR780の音声認識機能には、ニュアンス・コミュニケーションズの音声認識エンジン「Nuance Transcription Engine(NTE)」を採用した。録音した通話音声をテキスト化して保存する。従来の日時やオペレータID、顧客電話番号による検索に加え、フリー入力によるキーワードや、特定ワード(NGワード/必須ワード)が含まれる音声ファイルの抽出が可能だ。


システムイメージ検索画面
写真右は、「VR-TR780」のシステムイメージ。同左は、検索画面。画面下部が音声認識を活用した検索キー


再生画面には会話内容がテキストで表示されるため、聞き起こしは不要。SVのモニタリングや評価業務の効率化が期待できそうだ。

再生画面
通話音声ファイルの再生画面


音声認識処理の精度については、米Nuance SVP worldwide sales のキャリー・ラゾチェック氏が、採用実績を交えて説明。用途に応じて音声認識処理の速度と精度を選択できる点などをアピールした。音声認識の処理は、録音時間と同程度の時間をかけて処理する「Accurate」、約3倍速の「Fast」、約10倍速の「Warp」の3モードを用意。精度は、Accurateが最も高く、処理速度が速くなるにつれ数%程度低下する。VOC分析など、誤認識が結果に影響する用途は「Accurate」、クレームの確認など会話の流れがつかめれば十分な用途は「Warp」が適している。


キャリー・ラゾチェック氏
米NuanceのSVP worldwide sales のCarrie Lazorchak氏



処理負荷の分散を図るため、通話録音をしていない時間に限定して音声認識処理を行う仕組み。例えば、コンタクトセンターの営業時間帯が10時~18時の場合、18時~翌10時の12時間を使ってテキスト化する。任意で週間単位のスケジュール設定が可能だ。
 
VR-TR780は、年内の提供開始を予定している。想定価格は、INS1500(PRI)収容で398万円から(税別・工事費)。音声認識処理速度はTR(音声認識)ライセンスの追加で強化できる。1ライセンスにつき120万円。

一方、24時間365日運営のコンタクトセンターに対しては、2018年春の提供を予定している音声認識サーバー「VR-TRS」との連携を提案する方針だ。TR-VR780で録音した通話音声ファイルをVR-TRSに受け渡して音声認識処理をかける。さらに、音声認識機能つきの音声データ集中管理システム「VR-TR800CES」の提供も2018年度内に計画している。
 
今後は、アライアンスパートナーとの協業により、AI、CRMシステム、テキストマイニンツールなどの外部システム連携ソリューションの開発を進める。その例として、エーアイスクエアのAIとの連携によるテキスト要約やVOC分析の紹介も行った。


新提案
タカコムが提案する新しい通話録音ソリューション
 
 
 

2024年01月31日 18時11分 公開

2017年09月11日 15時00分 更新

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