リックテレコム、コンタクトセンター・アワード2016特別セミナーを開催

リックテレコムはこのほど都内で、コンタクトセンター・アワード2016特別セミナー「アワード受賞企業に学ぶベストプラクティスへの道程」を開催した。

まず、審査員である月刊コンピューターテレフォニー編集長の矢島竜児が、「過去5年の受賞企業を分析する!生産性/品質向上の5大ポイント」を講演した。過去5年のオペレーション部門最優秀賞受賞企業の発表について、①背景・目的、②取り組み内容、③効果を解説。傾向を分析し、オペレーション改革の共通キーワードとして、「共有/効率化&平準化/顧客視点」を挙げた。
「労働人口が減るなか、リソース確保はますます深刻な課題となりつつあります。既存人員の定着と生産性最大化を図る取り組みは、今後コールセンターに欠かせないものになるはずです」と訴えた。

次に、メットライフ生命保険の中村好弘氏が、2015年にアワード最優秀部門賞を受賞した、「増員なしで接続品質を向上したチーム・マネジメントの要諦」の発表を行った。同氏は、「Lean」の手法を活用して業務プロセスを改善した。現場の声から改善のヒントを300以上抽出し、1つひとつについて見込まれる効果を定量化してマネジメントを説得、約50の改善を実現。改善活動を継続するための取り組みとして、「ハドル」と呼ぶ短時間ミーティングや、それを主導するリーダーの育成方法についても説明した。
中村氏は、「“お客様中心主義”や“常にベストを尽くす”といった企業の行動指針があったことは、改善活動の実現に大きく影響したと思います」と取り組みを振り返った。

最後に、メットライフ生命保険の野村裕美氏、SBI証券の河田裕司氏、イー・パートナーズの谷口修氏をパネラーに迎え、矢島がモデレータを務めてパネルディスカッションを行った。

まず、講演に対する質疑応答を行った。聴講者から、KPIの算出方法やクレーム対応のポイントなど幅広い質問が出され、野村氏、河田氏が回答した。

続いて、SBI証券がマネジメントのベースとしている「ありがとう率」という指標について、河田氏が導入の経緯と活用のポイントを解説した。
「オペレータのモチベーション向上を主眼においている指標なので自己申告制にしており、承認とフィードバックによって応対指導にも結びつけています。チーム制で数値を追うことで、全員が積極的に取り組むようになり、現場に定着したと感じます」(河田氏)

継続的な改善活動を定着させるポイントについて、野村氏と河田氏は「ゴールの共有」と口を揃えた。谷口氏も、「ビジョン・ミッションを掲げることが、オペレータの行動を一貫したものにします」と付け加えた。

最後に、「経営にコールセンターの価値を認めさせる秘訣」をテーマにディスカッションを行った。
野村氏が「繋がりやすさと満足度に対する関心が強い経営層でも、投資意欲を引き出すのは容易ではありません。数値化、可視化以上に響くのは、生の音声データです」と話すと、河田氏は「弊社でも、『お客様の声を聞こう会』を立ち上げるという話が出てきています。そうした活動も大事ですが、成果を継続的に見せる、そのためのレポートラインを確立していくことも重要だと思います」と続けた。

コンタクトセンター・アワード2016特別セミナーは、4月15日に「ピープル部門」、5月13日に「ストラテジー部門」をテーマに開催する予定だ。



パネルディスカッションの様子
左から、リックテレコムの矢島竜児、イー・パートナーズの谷口修、メットライフ生命保険の野村裕美氏とSBI証券の河田裕司氏

メットライフ生命保険の野村裕美氏(左)とSBI証券の河田裕司氏(右)

質疑応答では聴講者から、踏み込んだ質問が多く出された
 

2024年01月31日 18時11分 公開

2016年03月11日 09時52分 更新

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