JUAS、「企業IT動向調査2015」の速報値まとめる

 日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)は、ITユーザー企業の投資動向やIT戦略動向などを定点観測する「企業IT動向調査2015」を実施した。

 同調査の速報値によると、2015年度のIT予算の対前年比は、回答企業(調査対象は国内上場企業およびそれに準ずる企業)の4割強(42.0%)が、2014年度よりもIT予算を「増やす」と回答。「減らす」と回答した企業は2割弱(18.2%)で前年度計画よりも10.3ポイントも減少している。

 しかし、IT予算を「増やす」企業の内訳を見ると、「10%以上増やす」割合は前年度計画より10ポイント以上も少ない16.9%にとどまっている。2015年度は前年度よりも大規模投資案件は減少しそうな気配だ。

 売上高別に「増やす」割合から「減らす」割合を差し引いて求めたDI(ディフュージョン・インデックス)を見ると、最も高かったのが売上高100億~1000億円未満の層となった。売上高100億円未満の層のDIも28.0と比較的高い。中堅中小規模の企業において、ITによる企業競争力強化を積極的に推し進めようという姿勢が見て取れる。

 業種グループ別にIT予算の増減を集計すると、DIが最も高かったのが、電気や水道、ガスといった「社会インフラ」分野。2015年度のDIは42.6ポイント、IT予算を前年度よりも「増やす」と回答した企業は59.6%に達している。「サービス」分野のDIも36.3ポイントと高いが、ここには情報通信サービス業も含まれているため底上げされている可能性があるようだ。
ITコストの削減・適正化を進めている「金融」分野のDIは例年低くなる傾向があるが、今回の調査では21.1ポイントと大きく上昇した。JUASでは、「攻めのIT投資を積極的に行おうという姿勢に変わる転換点にある」と分析している。

2024年01月31日 18時11分 公開

2015年01月20日 15時33分 更新

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