IT

2023年8月号 <ITの選び方&使い方>

IIJエンジニアリング

ITの選び方&使い方

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

IIJエンジニアリング

「夜間でもすぐに解決したい」に応える!
チャットボットで24時間体制を実現

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、各種ネットワーク・ITサービスや、システムの構築・運用管理などのシステムインテグレーションを展開。最近は、格安SIMを取り扱う「IIJmio」、ブロードバンドサービス「IIJmioひかり」など、個人向け事業にも注力している。

 IIJの完全子会社であるIIJエンジニアリングでは、「IIJmio」および「IIJmioひかり」の契約者向けのカスタマーサポートを展開。チャネルは、電話・メール・有人チャットの3種類だ。迅速な対応を望まれるケースが多いことから、チャットと電話に対するニーズが強い。比較的、ITリテラシーの高い顧客層が多いことから、サポート体制の充実と突発的な呼量増の防止を目的に、カラクリが提供するチャットボット「KARAKURI chatbot」を選定。すでにセンターで稼働中のCRMツール「Salesforce Service Cloud」との連携実績がある点を高く評価し、2020年6月に運用を開始した。

 チャットボットの導入に併せ、FAQも強化。2021年9月にFAQ管理ツール「KARAKURI smartFAQ」を導入し、FAQサイトとチャットボットの一元管理を目指した。

 チャットボット導入前は、問い合わせの約半数を電話で対応していたが、KARAKURI chatbot導入以降、電話や有人チャットで対応する比率が大幅に減っている()。IIJ MVNO 事業部 コンシューマーサービス部 カスタマーサクセス課 主任の野村梨絵氏は、「チャットボットの導入で問い合わせのハードルが下がり、全体として問い合わせ数は増えましたが、電話、メール、有人チャットでの対応件数は顧客数の伸びに対し、それほど増えていません」と説明した。

今月のPOINTS!

システム概要
カラクリが提供するチャットボット「KARAKURI chatbot」およびFAQ管理ツール「KARAKURI smartFAQ」を導入。シナリオ型で対話を設計し、自然文形式での対応が可能。チャット内で「有人」「オペレータに転送」とコメントすると、有人サポートに接続することもできる。

選び方のポイント
導入済みのCRMツール「Salesforce Service Cloud」との連携実績があることが決め手。チャットボットですべてを完結できるわけではないため、有人への転送後に個人を特定したうえで応対を引き継げる点も評価して選定した。

使い方のポイント
夜間や土日祝日のサポートを強化するため、「IIJmio」「IIJmioひかり」の公式サイト内にAIチャットを設置。そのページに関連するFAQのうち、閲覧数が多いFAQをチャット内にレコメンドする機能を活用している。閲覧数が少ない場合、過去のアクセス履歴をもとに検証のうえ、質問タイトルの修正や削除などの改善を図っている。

IIJエンジニアリング アウトソーシングサービス部の袖山和穂氏(左)、IIJ MVNO事業部の野村梨絵氏(右)

IIJエンジニアリング アウトソーシングサービス部の袖山和穂氏(左)、IIJ MVNO事業部の野村梨絵氏(右)

図 チャネル別問い合わせ比率の推移

図 チャネル別問い合わせ比率の推移

※画像をクリックして拡大できます

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年07月20日 00時00分 更新

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