IVRy/モビルス/RightTouchの3社は9月29日、電話窓口などにおけるカスタマーハラスメント(カスハラ)の実態調査を発表した。
全国の20~60代の生活者550人と、顧客対応業務の従事者または経験者400人を対象に、それぞれインターネットで調査した。
電話問い合わせでストレスや不快感を感じた場面として最も多かったのは「電話がなかなかつながらない」(60.4%)で、次いで「担当者を何度もたらい回しにされる」(42.4%)、と続いた(図1)。
なお、電話対応従事者の回答も、55.8%が、電話に出た時点ですでにお客様が感情的になっていたと感じた経験があると答えている。
ストレスや不快感を感じた経験がある人(n=499)のうち、61.9%が実際に普段とは違う言動をとってしまった経験があることがわかった(図2)。
3社は、企業側の仕組みが感情の悪化を招く可能性を「誘発型カスハラ」と捉えている。
電話の待ち時間について、生活者がいら立ちを感じ始める時間、顧客対応従事者が強い口調や苦情の増加を感じる時間は、ともに「3分」が最多だった。「3分以内」との回答は生活者が52.2%(図3)、顧客対応従事者が57.4%を占めた。
一方、生活者の65.0%は、カスハラと思われることを懸念して要望を伝えなかった経験があると回答した。
AIによる対応が感情的な言動の抑制につながるとの回答は生活者の55.9%、AIによる初期対応で心理的負担が軽減されるとの回答は顧客対応従事者の49.5%だった。
調査結果を受けて、IVRy AI Contact Center エバンジェリストの森脇 健氏は、「カスハラには意図的カスハラ と誘発型カスハラがある。個々の応対スキルの問題だけではなく、顧客が最初の一言を発するまでに何を経験したかという設計も関連する。カスハラを防ぐ仕組みづくりが重要」と見解を述べた。
カスハラが人材定着に影響があることも調査結果が示している。65.1%が「退職や異動のきっかけになり得る」と回答したことを受け、モビルス Product Strategy Division MOBI Products Unit Senior PMM Evangelist/生成AIプロジェクト導入担当の近藤 浩之氏は、「多くの怒りは待たせ方や引き継ぎ方といった、企業側が変えられる部分もある。現場に我慢を求めるのではなく、AIを含めた仕組みで負担そのものを減らすことが必要」と訴えた。
企業が取り組むべき対策について、RightTouch VP of Communication/Product Manager 佐瀬 ジェームズ幸輝氏は、「多くの場合、電話に至るまでの間に、課題が解決しきれなかったことに加え、十分に寄り添われていないと感じたことが、始まり。電話がつながった後の対応だけではなく、そこに至るまでにバラバラとなっていた顧客体験そのものを見直すべき。Web上での先回りサポート、高品質なAIオペレータの構築、最適なオペレータへの澱みないルーティングなど、電話に至るまでのあらゆる顧客接点において、課題を解決するだけでなく、顧客の状況に寄り添う体験を設計することこそが、カスハラを根本から減らす手段になると考えます」と説明した。
調査機関:株式会社IVRy、モビルス株式会社、株式会社RightTouch
調査方法:インターネット調査 (株式会社ジャストシステム「Fastask」利用)
調査期間:2026年8月27日(木)~8月31日(月)
調査対象:20代~60代男女のうち、事前調査(20代~60代の男女6,600名を対象)で、過去1年以内に企業のコールセンター・チャット・電話窓口へ問い合わせた経験がある生活者
調査対象地域:全国
回答数:550
調査機関:株式会社IVRy、モビルス株式会社、株式会社RightTouch
調査方法:インターネット調査 (アイブリッジ株式会社「Freeasy」利用)
調査期間:2026年08月26日
調査対象:20~65歳のコンタクトセンター・コールセンター・カスタマーサポート等の専門部署での顧客対応業務従事者(もしくは過去1年以内に従事していた)
調査対象地域:全国
回答数:400
2026年09月30日 13時56分 公開
2026年09月30日 13時56分 更新