物流機器のジャロック、「Agentforce」の導入効果を解説

システム費ではなく「人件費」として導入

セールスフォース・ジャパンは、このほどAIエージェントのプラットフォーム「Agentforce」(エージェントフォース)の活用状況に関するメディア・アナリスト向け説明会を開催した。導入企業として物流機器の製造・販売・施工を手がけるジャロック(東京都中野区)の斉藤力丸代表取締役社長が登壇。導入経緯と効果について説明した。

斉藤社長は、導入以前の課題について「情報の属人化が起きていた」と強調。「ベテランの営業マンが退職するたびノウハウも顧客も会社から消えるという事態を防ぐには、『情報を個人から企業資産へ転換する』ことが必要」と説明。そのうえで「情報を案件(商談)にぶら下げる」仕組みとしてセールスフォースを選定した。

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まず2018年に「Agentforce Sales(当時の名称はSales Cloud)」を導入。2025年には「情報の共有からAIとの共生」という新たな経営ビジョンを描き、2025年10月にAgentforceの導入を決定、2026年1月から順次実装している。具体的な取り組みは次の通りだ。

(1)営業活動の自動記録・要約:営業担当者の通話の記録(アンプトーク社の「amptalk」を採用、連携)、商談での会話をリアルタイムでAIが集約、要約、商談・日報への取り込み、Googleカレンダーと連携し、営業担当者の記録負荷を大幅に軽減
(2)商談スコアリングと成功事例のサポート:AIが各商談活動をスコア化し、不足している点を自動検知。他の担当者の成功事例を参考に次のアクションを自律的にサポート
(3)社内AIエージェント:Salesforce上に構築した社内エージェントが社内ナレッジに即座に回答し、担当者が社内確認に費やす時間を削減
(4)社外AIエージェント:公式ウェブサイト上に社外エージェントを展開し、顧客からの問い合わせにリアルタイムで対応

とくに重視した視点が、「AIが社員を育てるという発想」(斉藤社長)だ。営業の電話記録やメール、会議内容がセールスフォースに自動記録され、AIはこれらの記録から、顧客との対話内容、提案のポイント、課題について自動解析し、営業に対してその日のハイライトや改善すべき点を指摘する。(2)の商談スコアリングでは、5つの評価項目(顧客を知ること、ジャロックの価値を伝えること、顧客のお悩みを理解すること、予算を把握すること、同期を取ること)を設け、それぞれの基準をAIに取り込んで評価。営業マンはスコアに基づき、AIと相談しながら営業手法を改善しているという。
現場の抵抗感については「不思議なほどなかった」(斉藤社長)といい、「オピニオンリーダー的な営業に先行導入し、その評価に基づき展開したのが大きなカギだった」と振り返る。

現在は社内のコミュニケーションも「Slack」で統合。「営業マンのお客様とのやり取りだけでなく、全社員の全活動をSlackに集約し、あらゆる社内情報を俯瞰する『AI管理職(COO)』の構築を目指す」(斉藤社長)としている。

斉藤社長は、「Agentforceはシステム費ではなく人件費という意識が必要」と強調。企業基盤を支えるインフラストラクチャーとして捉えている。

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社内に散在する情報(ナレッジベース含む)の共有は、営業マンのみならずカスタマーサクセスやカスタマーサポート部門においても大きな課題で、かつAI活用に際しては絶対に避けられないテーマだ。同社の事例はそのロールモデルになり得るはずだ。

2026年07月31日 17時18分 公開

2026年07月31日 17時18分 更新

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