トレンドマイクロは2026年9月、日本国内の16歳以上の男女5131人を対象に実施した、生成AIの利用状況に関する意識調査「セキュリティ市場調査2026」(調査期間:2026年7月10日〜7月13日、Web調査)の結果を明らかにした。
同社の個人向けブランド「TrendLife」を通じて行われた同調査は、敬老の日を控え、生成AIから得た情報の確認方法やトラブル時の相談先について家族で考える契機とすることを目的としている。
調査結果によると、生成AIの利用に対する不安は、自身に対するもの(31.1%)よりも、祖父(35.4%)や祖母(32.4%)といった家族に対する懸念が上回っている。
具体的な不安の内容としては、「AIへの依存によって自分で調べる・考える力が低下する」(42.1%)が最多を占め、「個人情報・機密情報の漏えいや悪用」(38.8%)、「コンテンツの真偽を見分けられない」(33.1%)が続いた。現段階では、詐欺被害よりも利用者の判断力への影響を懸念する声が目立っている。
利用に伴うトラブル経験については全体の22.1%が「経験あり」と回答。とくに16〜29歳では31.1%に達した。トラブルの内訳は「AIへの依存によって自分で調べる・考える力が低下した」(7.2%)や、「コンテンツの真偽を見分けられなかった」(5.3%)、「AIの回答を疑わず鵜呑みにした」(4.7%)などが上位を占めている
一方で、トラブル発生時の対応には、経験者の65.3%は「どこにも報告・相談しなかった」と回答。相談しなかった主な理由は「軽微と判断した」(27.1%)や「解決できないと思った」(23.3%)。また、相談先として「生成AI」を挙げた割合が9%に上り、家族(9.7%)や友人・知人(8.7%)と同等の水準となった。あわせて、生成AIの出力内容に対するファクトチェックを行っていない人が32.7%と、約3人に1人に達している。
カスタマーエクスペリエンスの観点から見ると、「AI依存」を警戒する消費者が多数を占めることは、企業にとってコンテンツの発信をAIに頼るリスクを示しているという見方もできそうだ。一方、「回答を疑わず鵜呑みにする」「ファクトチェックを行っていない」という回答比率も高いため、レピュテーション管理やハルシネーションリスクを見直す必要性も高いと推察される。
トレンドマイクロでは、警察庁の統計において特殊詐欺被害が高水準で推移している現状を踏まえ、生成AIを活用して巧妙化するなりすまし等のリスクに対して家庭内で確認方法や相談先を共有する重要性を提示している。同社は課題解決に向け、専用のセキュリティ機能やプライバシー保護を備えた家族向けAIサービス「Kaleida」の提供を通じ、安全な利用環境の支援を推進している。
2026年09月17日 17時35分 公開
2026年09月17日 17時35分 更新