日本カスタマーサクセス協会(略称:JCS)は10月21日、米Box社の最高顧客責任者(Chief Customer Officer, CCO)のジョン・ハースティン氏を招き都内でイベントを開催した。
「CCOの価値と役割」をテーマに対談スタイルで実施。テックタッチ 執行役員 VP of Customer Success / Operations の垣畑 陽氏が聞き手を務めた。CCOの業務内容やキャリアをはじめ、組織における顧客中心経営の実践とリーダーシップが議題にのぼった。
ハースティン氏は2006年にBoxへ入社。同社で顧客体験と事業成長の両立をリードしてきた。CCOという役職について、「2011年当時は、米国でもカスタマーサクセスの概念が広まり始めた段階。CCOという存在はまだ珍しかった。その後、2015〜2020年にかけて、企業が“プロダクト中心”から“カスタマー中心”へと舵を切る中で、CCOという役職が確立された」と経緯を説明した。
対談では、BoxがCCOを置いた背景についても話された。「単なるサポートやリテンションの枠を超え、顧客の成功を軸にした経営判断を加速させる意図があった」という。その上でハースティン氏は、「上司に2回、CCOの設置を提案したが断られた。しかし、あるタイミングで経営陣が重要性を認識し任命された」などの逸話を披露し、会場を和ませた。現在は、コンサルティング、カスタマーサクセス、カスタマーサポートなど4部門を統括する立場だ。また、経営・戦略・リソース配分・顧客会議まで広範な責任を担っている。
会員限定2025年10月24日 10時55分 公開
2025年10月24日 10時55分 更新