「職務定義書」のススメ

コールセンターのスーパーバイザー(以下SV)は、現場の安定運用を司る“扇の要(かなめ)”のような存在だ。
その実態は千差万別で、役割が整備されているセンターから、さまざまな裏方業務を任され“何でも屋”と揶揄されるケースまで格差が大きい。

 SVの業務が何でも屋になってしまう要因のひとつに、SVの職務定義書(職務記述書とも言う)が整備されていないことが背景にある。
先進的コールセンターでは、この職務整理がきちんとなされているケースが多く、「職務定義書」「Job Description」という名称で、やるべき職務・求められるべきスキル・業務量などが整備されている。

SV以外の専門職についても、「どのタスクを・どのくらい(量)・どの水準まで達成すべきか」を明記した職務定義書が必要だ。
例えば、呼量を予測し、適正な人員配置・シフトスケジュール調整する「スケジュールコントローラー」、新人・既存オペレーター向け研修を専任で行う「研修トレーナー」、モニタリング&フィードバックを専任で行う「QA(Quality Assurance)担当」などの専門職がある。

「職務定義書に書かれている仕事以外はやらない・やらせない」という杓子定規な運営を推奨するつもりはないが、コールセンターで発生する調整・管理業務をあれもこれもすべてSVに任せるような運営をしているセンターでは、SVの離職やモチベーションダウンによって、想像を超えるしっぺ返しをくらうリスクを負うことになる。


(連載「新任マネージャーのためのコールセンター運営の基礎知識」 月刊コールセンタージャパン2017年12月号掲載

著者:五月女 尚
この著者の講座は、「コールセンター運営の基本知識とマネジメント入門講座」「 実践!KPIマネジメント・課題解決講座」です。