コラム
第15回
最近、某メーカーのお客様相談室で、お怒りのお客様を“確実にクールダウンさせる”ための声と話し方の研修をしています。この内容が実務的で再現性のあるものなので、紹介したいと思います。
クレームの根本は「期待の裏切りによる感情の痛み」。これを前提にすると対応も変わってきます。
クレーム対応には、3つの基本があります。
① 感情を認めること
「お気持ちはもっともでございます」
② 話を要約して理解を示すこと
「お客様のお困りの点は~~ですね」
③ 今後の安心を提示すること
「最も早く解決できる方法をご提案します」
この3つで多くのクレームはクールダウンします。これを踏まえ、6つの実践ステップを紹介します。
【ステップ1】
落ち着いた声で受け取り、相手の怒りの温度を下げることです。相手が感情的な場合、担当者が速く話すとさらにヒートアップします。声はワントーン低くし、会話速度は普段の7割くらいに落とします。文末には必ず「間」を0.5秒ほど入れます。ゆっくり落ち着いて話すことで、自然と相手のペースも落ち着いていきます。
【ステップ2】
怒りの「燃料」を抜き取る“共感の2連打”です。怒りの原因は、「理解してもらえない」「認めてもらえない」の2つです。そのため最初に共感を2回重ねます。
1回目「それは大変ご不便でしたよね」
2回目「おっしゃるお気持ち、よく分かります」
説明前に入れることで怒りのピークが下がります。
【ステップ3】
“要約返し”で感情の暴走を止めます。怒っている人ほど、「自分の話が理解された」と感じると安心します。「つまり〇〇ということで間違いございませんか?」と要約することで、自分の話が整理されたと感じ、落ち着きやすくなります。
【ステップ4】
怒っている時に「原因は●●です」と言われると火がつきます。代わりに、“次にどうするか”を明確に提示します。「ではこの後、▲▲という形で、最も早く確実に対応できる方法をご案内させていただきます」と提案することで安心を与えます。
【ステップ5】
最後に必ず“主導権を渡す”ことです。怒りの根底には、「コントロールを奪われた」という感覚があります。怒りのピークが下がったら、選択肢を渡すとさらに冷静になります。「Aの対応とBの対応がございますが、どちらがよろしいでしょうか?」などと選択肢を渡すことで、心理的主導権が戻ります。
【ステップ6】
終話前の“安心定着ワード”です。「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。ご不安な点があればいつでもご連絡ください。しっかりサポートいたします」と、最後の30秒で印象は大きく変わります。
この6ステップの流れを守ると、怒りの強いお客様でもクールダウンしていきます。ぜひ実務で実践していただければと思います。
