
コールセンターに問い合わせる消費者は、どのような対応を望んでいるのか。問い合わせ前の行動と、問い合わせ後のロイヤルティの変化は──。その実態を明らかにすべく、編集部では、過去1年以内に企業のコールセンターに電話をした経験を持つ800人を対象にアンケートを実施。接続品質、応答品質の現状を検証すべく、見解を有識者らに聞いた。
全回答者の83.3%が50代以上、昨年調査の81.1%から微増──今年の「コールセンター利用者調査」に回答した消費者の年齢層だ(図1)。今年から「70代以上」を追加したところ、27%と2番目に多いカテゴリーとなった。動画やSNSに加えて、生成AIからも情報が得られる昨今、若年層を中心に企業とのコミュニケーションが希薄化し、コールセンターはもはや「高齢者のためのチャネル」になりつつあるかのようだ。
本調査は、2025年6月にインターネット・リサーチ大手のクロス・マーケティングのモニター会員を対象に実施。通信販売、携帯通信会社、生命保険/損害保険、クレジットカードのお客様相談室の4業種のコールセンターに「過去1年以内に電話をかけたことがある消費者」をそれぞれ抽出。利用した際の不満点、つながりやすさ、利用した会社のおすすめ度などを聞いた。

生成AIの登場、Google(Chrome)に代表されるブラウザの検索精度も向上したことで、企業のWebサイトやFAQなどのコンテンツは、存在価値という観点で過渡期に入った印象もある。また、そうしたWebサービスによって、「独自に問題解決する」ことが消費者行動として定着、ますます電話の存在が消費者から遠くなる気配もある。
コールセンターを利用する消費者は、何らかの解決したい問題を抱えている。図2は「電話する前にその会社のホームページで『よくある質問』を見たか」という設問への回答だ。「Webページ自体、見ていない」が29.9%、「その他」が5.6%。回答者層の8割超が50代以上にもかかわらず、全体の65%近い回答者は電話する前にその企業のWebサイトをチェックしている。それでも、「情報量が少なくて該当する情報が見つからなかった」という回答者が25.0%、「回答の説明がわかりにくかった」が16.1%、「情報量が多すぎて回答にたどりつけなかった」が15.4%と、いずれもFAQが役に立っていないことがわかる。

生損保は、他業種と比べて「いきなり電話する顧客」が多いようだ。顧客ロイヤルティの専門家であるコンサルタントのISラボ代表の渡部弘毅氏は、「事故対応や病気による保険金請求など、緊急性が高いコンタクトリーズンが多いと考えられる」と推察する。CXMコンサルティングの秋山紀郎氏は、「通販などデジタルシフトが急速な他の業種に比べると、生損保はマイページに力を入れられていない印象があります。(企業への)アクセス頻度がさほど高くないというビジネスモデルが影響しているのでは。そうしたなか、一部の生損保会社は異業種と組んで付帯サービスを提供、利用率(ログイン率)向上に取り組んでいます」と説明する。
このほか、コールセンターに対する不満理由、接続品質、満足度やNPS、継続利用意向、クレーム対応の現状を検証。待ち時間解消に向けた電話窓口有償化に対する勘所を識者らに聞いた。