2018年9月号 <事例研究>

事例研究

イオンクレジットサービス

顧客接点のデジタルシフトを急速展開
呼量削減がもたらした「品質改善」の時間

国内最大の流通企業、イオングループの屋台骨を支える存在に成長したイオンカード。2800万会員のサポートを担うコールセンターは、実に1000名以上のオペレータが勤務している。会員数増加に対応すべく、同社は顧客接点のデジタルシフトに取り組み、最新ITを次々に活用。「呼量最適化」を実現し応答品質の安定を図っている。

 イオンクレジットサービスは、約30年にわたり蓄積してきたクレジット事業のノウハウをベースに、イオン銀行と連携し、グループ内外のさまざまな企業・団体とのクレジットカードを発行している。全国5カ所の事務センターには、合計約3000席規模、約6000名の従業員が在席し、顧客対応や審査、債権回収などの業務に携わる。

 カードの新規申し込みは店頭で行われるため、コールセンターには既存会員からの問い合わせが中心だ。オペレータは基本的にマルチスキルで、応対のベースとなるFAQの数は1000を超える。10年以上活躍するベテランも多いことから、従来は属人的な知識、ノウハウにも頼りつつ運営してきたが、呼量増加とベテラン層の高齢化を受け、2017年に体制の見直しと抜本的な呼量減への取り組みに着手した。

 具体的には、早急に応答率を改善するため、アウトソーシングサービスの活用を開始。月間約6万件を外部に委託することで、インハウスセンターの稼働率、応答率を改善した。さらに、ビジュアルIVRの導入やチャット窓口の構築といったデジタル化を推進。チャットは、今年からAIエンジン「BEDORE」を搭載したチャットボットシステムを導入し、KDDIエボルバによるシナリオ設計やFAQチューニングの支援を受けて構築。空色が提供するチャット対応システム「OK SKY」を導入し、有人対応窓口も開設した。こうした一連の取り組みで呼量削減を進める一方、他部署による応援やユニット派遣の活用も行って応答力を強化した結果、安定して90%以上の応答率を確保できる体制となった。

 接続品質が安定してきたところで、応対品質の強化も図った。レポーティング「Dr.Sum」を活用してオペレータ1人ひとりのパフォーマンスを可視化。運用改善グループがチェックし改善のPDCAサイクルを回している。

会員サービス推進本部会員サービス推進統括部コールセンター運営部の海老原貴之部長

会員サービス推進本部会員サービス推進統括部コールセンター運営部の海老原貴之部長

会員サービス推進本部会員サービス推進統括部の松田憲孝統括部長

会員サービス推進本部会員サービス推進統括部の松田憲孝統括部長

図 オペレータ業務処理フロー(例)

図 オペレータ業務処理フロー(例)

※画像をクリックして拡大できます

Center Profile

センター

札幌、仙台、千葉(幕張)、大阪、四日市にカードコールセンター開設(他に外部委託の拠点あり)。営業時間は、9時〜18時(365日)。オペレータは約1000名で、98%が直接雇用のパート/アルバイト。コール数は年間約360万件、メールは同2万4000件、チャット(有人)は約5万4000件に対応。チャットボットは年間約100万件の見込み。