2018年6月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2017>

吉谷 聡史 氏

個のチカラを伸ばし組織力を高める
離職予防にも奏功したHRM施策をリード

ヤフー
MS統括本部
セールスサポート部 部長
吉谷 聡史 氏

Profile

吉谷 聡史 氏(よしがい・さとし)

2014年、ヤフー入社。2017年に現職に就任。重視しているのは一人ひとりが仕事を通じて成長を実感できる職場づくり。セールスとマーケティングの役割を担い、顧客がサービスを選択する際の有効な理由となり得る「これまでの枠にとらわれないコンタクトセンター」構築を目指している

 地方拠点、対応難易度の高い「提案」を軸としたBtoBサポート。コンタクトセンター改革に立ちふさがる2つの壁を、卓越した行動力で打破したのが、ヤフーのMS統括本部セールスサポート部、吉谷聡史部長だ。コンタクトセンターの集積地のひとつである福岡県北九州市に設置しているインターネット広告のサポート部門を率いている。

 吉谷部長は、組織力を向上するために、まずは「個の力の最大化」に着手。実施したのが「業務時間の10%を改善活動に使う10%ルール」と、「1on1ミーティング」の徹底だった。全員が月次報告と成果提出を行うことで、「全員が講師となりPDCAに対する意識が向上。2016年10月からの半年で46件もの施策を実施しました」(吉谷部長)という。

 コンタクトセンターという組織は、顧客対応という受け皿機能であるがゆえに、スタッフの姿勢が“受け身”になる傾向が強いとされている。吉谷部長のアプローチはトップダウンではなくボトムアップの文化を構築することで、スタッフ全員に当事者意識を植え付けたといえそうだ。

 実際に従業員満足度調査のスコアが向上したと同時に、退職率は前年比で16%以上も低減し、「人が辞めないセンター」になりつつある。

他部門との連携を強化し
経営貢献型センターへの進化

 さらに着手したのが、KPIとKGIの再定義だ。同センターの役割は、単なる問い合わせ対応だけでなく、分析に基づいた効果的な広告提案を行うセールス機能も持ち合わせている。

 「汎用的な資料や過去の類似提案ではなく、案件ごとに分析を徹底したり、顧客(広告代理店など)を訪問しニーズを確認。さらに営業部門と連携し提案内容のフィードバックをもらう仕組みまで構築しました」(吉谷部長)と取り組みのポイントを振り返る。その結果、概算ではあるが月間約5000万円の売り上げ貢献を実現している。

 コンタクトセンターが社内の関連部門と互角の立場で連携するのは、業種や業態問わず極めて難しい。吉谷さんがリードした施策は、国内のコンタクトセンターマネジメントにとって大きな励みとなりそうだ。

 吉谷さんは、「目指すのは日本一のサポート」と言い切る。現在のセンターで積み重ねた実績をもとに、施策の横展開を図ることに意欲を高めている。