2018年1月号 <キーパーソン>

オリビエ・ジューブ 氏

目指すは「消費者の変化を捉えるIT」
エコシステム強化でシェア拡大図る

米ジェネシス
PureCloud事業部門
エグゼクティブバイスプレジデント
オリビエ・ジューブ氏

PROFILE

オリビエ・ジューブ 氏(Olivier Jouve)

スタートアップから大手まで、さまざまなテクノロジー企業のプロダクトマネジメントや研究開発に従事。AI、IoT、BIなど、30年以上にわたって培った技術・ノウハウを活かし、現職に就任。

クラウド型プラットフォーム「PureCloud」の契約が“1日1社ペース”と好調の米ジェネシス。8月にPureCloudの事業部門責任者に就いたオリビエ・ジューブ氏は、成長促進を目指し、Amazon Web Servicesやキャリアなど、パートナー拡充によるサービス強化とエコシステム構築に意欲を見せる。

──IT市場全体のクラウドシフトが進むなかで、「PureCloud」の販売状況はどのように推移していますか。

ジューブ グローバルでは“1日1社”ペースで導入されており、好調です。解約率についても、一般的には7〜8%で“健康”な経営状態とされますが、3%以下を維持しています。オンプレミスと比べてリプレースしやすいクラウドサービスで解約率が低いのは、“今のカスタマーサービス”におけるニーズをしっかり捉えた開発・機能強化を進められている結果だと考えています。

──開発・機能強化のポイントを教えてください。

ジューブ 最大の特徴は、柔軟な機能拡充が可能なアーキテクチャにあります。短期間で劇的に変化する消費者の購買行動に合わせて、顧客接点であるコンタクトセンターは必要な機能をタイムリーに取り込んでいくことができます。直近1年だけでも150の機能を追加しています。機能強化の実施回数に比例して導入社数の増加ペースが早まっていることが、ニーズを捉えている証左と言えるでしょう。

──今後の導入目標は。

ジューブ 現在の2倍のペースとなる“1日2社”を目標としています。そのためには、ビジネスの約50%を占める米国だけでなく、シェア上位の国々を中心に、さらに導入価値を高める必要があると考えています。

──日本市場をどう見ていますか。

ジューブ 米国をシェア第1位とするならば、第2位か3位に位置する重要市場と捉えています。さらに、グローバルと比較して、日本はまだクラウドシフトが進んでいないように見えます。PureCloud導入企業の80〜90%がオンプレミスシステムからの移行であることを踏まえると、成長性のある魅力的な存在です。

──日本でもPureCloudの基盤を提供するAWS(Amazon Web Services)をはじめ、新プレイヤー参入やオンプレミスベンダーのクラウドモデル拡充など、競争の激化が予想されます。

ジューブ AWSは、競合というよりもサービス強化における協業パートナーです。中長期的な戦略として、PCを除くコンタクトセンター構築に必要なシステムをすべてクラウド上で提供する“フルクラウド”を実現するには、AWS上でのキャリア網接続が不可欠です。その実現に向け、日本も含む各国のキャリアとのパートナーシップ構築を進めているところです。他の競合各社に対しては、機能だけでなく販売パートナーを拡充して差別化を図る考えです。まず機能面では、日本でユーザー数の多い「LINE」への対応を2018年初頭に予定しています。