GO

2024年5月号 <事例研究>

GO

「顧客対応」×「VOC活動」で導くCX運営
部門外を巻き込み確立した“攻めのサポート術”

GOでは、顧客サポート業務を担う「カスタマーサポートグループ」と、応対履歴を基に各部門に改善提案を行う「CX戦略グループ」が密に連携して、CX改善の実践に取り組んでいる。タクシーアプリ『GO』の定期的なアップデートを進める中、CX部の取り組みをプロダクト開発の一環として高品質な顧客サポート体制を確立している。

Center Profile

在宅オペレーション体制で、チャネルは電話・メール・有人チャットに加え、2024年1月からチャットボットでの対応を開始。応対時間は平日・土日祝9時〜18時で、営業時間外のメールでの問い合わせは翌日に返答している。『GO』アプリ利用者からの問い合わせが中心で、定期的にリモートでモニタリングを実施している。

センターイメージ

 タクシーアプリ『GO』を開発・提供するGO。タクシーアプリの認知度の向上や、予約や決済手続きの容易さから、ここ数年で提携するタクシー事業者数・アプリ利用者数ともに増加している。『GO』アプリのCX向上を担うのが、CC本部直属のCX部だ。

 CX部は、顧客対応を管轄する「カスタマーサポートグループ」と、日々寄せられる問い合わせを開発・企画部門へ情報共有してプロダクトの改善につなげる「CX戦略グループ」で構成される(図1)。

図1 CX部の部門構成
図1 CX部の部門構成

 応対時間は平日・土日祝9時〜18時で、営業時間外のメールでの問い合わせは翌日に返答している。原則リモートによる勤務体制で、入社後は約3週間の研修を経て、会社側で支給するPC上から電話、メール、チャットで顧客対応にあたる。

 CX部を立ち上げた当初はカスタマーサポートグループのみで運営していたが、利用者の増加に比例して問い合わせも前年比1.5倍程度のペースで急増。オペレータ数もCX部を創設した当初と比べて4倍まで増員させた。一方で、根本的な入電量削減に対する施策として、VOC(顧客の声)の分析結果をアプリ開発部門などにフィードバックする体制の確立に向け、2022年8月にCX戦略グループを発足した。同グループでは、主に週次・月次で定量・定性的にVOC分析を行い、アプリのアップデートやサービスの改善に伴う反応に基づいて対策を立てる。

 部門間の連携で実現した改善として、タクシー車内での忘れ物に関する問い合わせの削減が挙げられる。アプリを利用したユーザーがタクシー車内に忘れ物をした場合、仮にGOのカスタマーサポートグループに連絡があったとしても手立てがなく、乗車したタクシー事業者に問い合わせるよう伝えることしかできない。そこで、アプリ画面上から、すぐにタクシー事業者に電話での問い合わせが可能なUIに変更した(図2)。

図2 アプリ管理画面上のUI変更施策例
図2 アプリ管理画面上のUI変更施策例

 アプリ内メニューの「お問い合わせ」をタップすると、問い合わせフォームの最上部に「忘れ物についてはタクシー会社にお問い合わせください」というメッセージとタクシー利用履歴へのリンクを掲載する形に変更。さらに、利用履歴をタップすると、乗車した事業者名と車両情報とともに「タクシー会社に電話する」と記載のボタンが表示され、タップするだけで直接電話をかけられるようにした。この取り組みの結果、忘れ物に関する問い合わせは施策実施前の3分の1程度まで削減できた。

左から、CX部 部長の吉田大志氏、同部CX戦略グループ グループマネージャーの大竹 加余子氏、同部カスタマーサポートグループ  グループマネージャーの今井崇義氏
左から、CX部 部長の吉田大志氏、同部CX戦略グループ グループマネージャーの大竹 加余子氏、同部カスタマーサポートグループ グループマネージャーの今井崇義氏
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2024年04月20日 00時00分 公開

2024年04月20日 00時00分 更新

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