コンタクトセンターをはじめとしたコミュニケーション・プラットフォームを提供するTwillioは、アジア太平洋地域7カ国で調査した「デジタル忍耐力調査:アジア太平洋地域のデジタルユーザーは我慢の限界を超えているのか」の結果を公開。都内で記者発表を行い、Twilio Japan 代表執行役社長の久保 敦氏がその概要を説明した。
同調査は、2025年8月28日から9月4日にかけてオンラインで実施された(7カ国計7331人の成人が対象。世代、婚姻状況、地域分布のバランスを重視した構成で、日本での対象者は1000名)。
デジタル忍耐力とは、同社によると「消費者がブランドに対して不満を持つ前に、あるいはオンライン取引から離脱するまでにどれだけに時間、好意、注意を費やすかの指標」。久保氏は、「頑張っている店員の様子や顧客が並んでいる行列を直接、目で見ることができるオフラインの接点のサービスと、“忍耐力”はかなり異なるはず」と補足説明した。
同調査では、AIチャットボットや自動音声メニューなどのデジタル手段を活用したカスタマーサポートについて、「忍耐強くいられる」と回答した日本の消費者は対象7カ国中、最低スコアとなっている。
さまざまな状況別に聞いた忍耐力でも、日本の消費者の忍耐力は全体水準よりかなり低い。
久保氏は、「日本の消費者はカスタマーサポートへの期待値がかなり高い」と指摘。実際、解決までの待ち時間に対する期待している時間は、調査国平均が24分に対して日本は19分となっている。
また、日本の消費者は「課題が解決するなら人間でもAIでも構わない」が49%と半数近くを占めている。
言い換えれば「迅速かつ正確な問題解決ができれば、AIが受け入れられる可能性は高い」(久保氏)ということだ。久保氏はそのうえで、デジタル忍耐力を踏まえた顧客体験設計のポイントを「明確さ」「選択肢」「継続性」「思いやり」の4点に整理した。明確さとは、プロセスをシンプルかつ透明に伝え、状況を正確に理解できるようにすること、選択肢は、AIと人間の担当者がスムーズに引き継ぎし、効率を損なうことなく顧客が対応方法の選択肢を持てること、継続性は、チャネルや担当者が変更しても文脈が途切れず、日本文化に根付く秩序と正確さの期待に応えること、思いやりは、信頼感と配慮を感じられる応対を設計し、スピードと平行して経緯や細やかな気配りをおろそかにしないーーと解説した。
久保氏は、「消費者の意図を正しく理解し、文脈に沿った会話ができるAIが必要」と強調。そのうえで、「現在は、日本の文化を理解したLLMが存在しない」と指摘。「日本のコールセンター等が導入しやすいLLMを開発していく必要がある」と、今後への意欲を示した。